がんのこと

南果歩さん 乳がんを経験 ~初めての人間ドックでがんが発覚。がん保険にずいぶん助けられました。手術をして、放射線などの治療も安心して受けられました。

南果歩さん 乳がんを経験 ~初めての人間ドックでがんが発覚。がん保険にずいぶん助けられました。手術をして、放射線などの治療も安心して受けられました。

1984年映画『伽倻子のために』のヒロイン役オーディションで2200人の中から選ばれ、主役で芸能界デビューして以来、女優としてさまざまな作品に出演し、ご活躍中の南果歩さん。夫は俳優の渡辺謙さん。50代を迎え、公私ともに充実した日々を過ごしている中、人間ドックで初期の乳がんが見つかりました。同じ病気の方に伝えたいという南さんの想いを語っていただきました。

初めての人間ドックで乳がんが見つかりました。

会社員の方だと年に一度、健康診断があると思うんですけど、私たち俳優って自営業なので、自ら病院に行って人間ドックを受けない限りは、なかなかチェックする機会がないんです。でも、なぜかそのときだけ、家族と一緒に受けておきたい、という気持ちになりました。たぶん何もないだろうけど、安心材料のために、って。仕事の都合もあり、結局私は、家族の後に受けることになりました。

普通に仕事もしていましたし、体調不良ということもなかったので、乳がんが見つかったときには「えっ、まさか私が」という言葉が最初に浮かびました。6ミリほどの本当に小さな腫瘍だったので、自分でチェックしていてもわからなかったです。先生に「ここですよ」って言われて、ようやくこれなのかな、というくらいでした。

病名がはっきりする前から、手術に向けて動きました。

エコー(超音波)で検査を受けて、再検査で生検*となったのですが、その結果が出る前から、手術に向けて動いていました。というのは、そのときにやっていた仕事が終わり次第、手術を受けられるようにしておかないと、次に予定されていた舞台の稽古に間に合わなかったのです。ショックだったのを即座に前向きに変換して、先生と相談しながら、仕事の段取りのように早め、早めに準備しました。

*患部の一部をメスや針などで取って、顕微鏡などで調べる検査。

自分の病状を、誰よりも深く理解しなければいけない。

最悪の場合をあらかじめちゃんと考えておかないと、結果が出てから動揺したら、いろんなことが判断できない、という想いでした。最終決断をするのは、私たち患者なんです。私の場合、乳がんなので切り方に関しても、切る位置に関しても、先生と相談して決めました。映画やドラマで「宣告します、あなたの腫瘍は悪性です」と一方的に宣告を受ける場面とはずいぶん違いました。主治医の先生は素晴らしい方で、「組織検査をしないと腫瘍の性質がわからないので、取ってみてそれからですけど、もし手術になったら...」と、いろんな仮定の先の仮定、こうなったらこうですよ、と事細かくわかりやすく説明してくださいました。その時は私も乳がんに関しては一般的な知識しかなかったので、助かりました。

その後、病院、先生と関わっていく中で、先生と対等に話ができるように勉強しなくちゃいけない、自分の病状を、誰よりも深く理解しなければいけない、ということがわかり、たくさん本を読みました。

生検の結果、悪性ということで手術が必要になったのですが、「乳房温存手術なのか、全摘で乳房再建するのか。ほぼ温存手術だけれど、切開してリンパ節の組織検査をしてみないとわからない」ということでした。結果的には温存手術となりましたが、手術前に形成外科も受診し、再建用のインプラントを選ぶなど、準備していました。

手術が済めば、もう大丈夫かと思っていましたが、他の治療も必要でした。

ステージ1と初期のがんでしたが、病理検査の結果、かなり活発ながん細胞だったということで、手術後は再発防止の治療が始まりました。放射線などの治療も受けました。今も病院には3カ月に1回通っています。

腫瘍は6ミリだったけれど、直径5センチ位くり抜いているので、手術後は見た目も違う。乳がんという病気は、病巣を取り除いただけではすまないデリケートな問題を含んでいると思いました。私は目標があると燃えるタイプなので、手術の翌日から先生の指導なしで廊下を歩き、ちょっと頑張りすぎて熱を出してしまいました。今まで通りの自分が頑張ればすむという身体との向きあい方ではいけない、と学びました。身体の声を聴くこと、無理をしないこと。身体の負担になるような頑張りは邪魔なだけだ、と。

そこで、ストレッチやマッサージの方に来ていただいて、初めは足裏からほぐして、とにかく体温を上げて、免疫を上げようと切り替えました。生検のため、リンパ節を数個摘出したため、腕も上がらなかったので、手術後1週間で退院した後は、もともとやっていたヨガの先生にお願いして、オリジナルメニューでリハビリをしました。毎日マッサージしているので陥没も放射線の火傷の跡も、今はほとんどわかりません。

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