[がんを知ろう]想いがあるから、伝えたい。そんな気持ちをまとめました。
安田 洋一 さん
がんと向き合う ひとの声 その想い伝えます。がん、子ども、家族、だから仕事と向き合えた
安田 洋一 さん 患者団体「大腸がんの輪」代表 1961年生まれ。都内で父の代からの不動産業を営む。がん闘病を経験し、この病気が持つ就労問題の深刻さを痛感。自ら患者のための団体を立ち上げて活動している。家族は、妻、3人の子ども。

自分が大腸がんとわかった時に、大きな支えとなったのは、家族が病気と向き合ってくれたことでした。話したことで、ストレスから解放された面もありました。

当時、子どもはまだ5歳と3歳。以前から保育園までの送り迎えは僕の仕事でしたが、特に病気がわかってからは、「自分はもう先がない。少しでも子どもたちの脳裏に父親が生きた証を残したい」。そう思って、送り迎えをする車中や一緒にお風呂に入る時など触れ合う時間を大切にしました。


安田 洋一 さん病気を告知されてまず考えたのは、仕事と治療の両立。仕事をメインで考えたので、職場に近い、地元の総合病院を選択しました。

家族経営の不動産業ですから勤務時間はコントロールできましたが、やはり取引先には病気のことは伏せたままにしていました。2004年9月に告知を受け、12月に開腹手術を受けましたが、前日まで仕事をしていました。

手術は無事終了。リンパ節への転移は認められたものの、腹膜や他の臓器への転移はありませんでした。術後3日目からは抗がん剤治療を始めましたが、仕事のことを考え、点滴ではなく飲み薬を選びました。

術後2年半くらいまでは痛みに苦しみました。おなかがえぐられるような激痛が続きました。デスクワークが精いっぱい。お客様を物件に案内する仕事は、体力的に限界があり、同業者を紹介するなど工夫しました。


患者団体を立ち上げたのは、独立して事業を始めた後輩が、安田 洋一 さん病気療養から復帰した際、以前の取引先がなくなってしまい、苦労したのを目の当たりにしたからです。

がんは治れば「普通の人」です。

普通に生活でき、働くこともできます。そのことを広く知ってほしくて活動しています。

昨年から学校の文化祭にはブースを出し、子どもの親たちに検診を呼びかける活動も始めました。検診の重要性は知っていても、まだまだ受診率は低いのが実情。子どもたちを通じて、検診のきっかけにできればと考えています。