健康コラム ちょっと気になる健康と病気のマメ知識!

薬についての「?」がスッキリ。 正しく、賢く「薬」とつきあってますか?~「NGな飲み合わせは?」「ジェネリック医薬品って?」~

私たちの身の周りには、様々な薬があふれているといっても過言ではありません。薬は間違った使い方をすると、十分な効果が出ないばかりか、時にはかえってからだにトラブルをもたらすことがあります。薬の正しい使い方を知っておきましょう。
コラムINDEX
用法、用量、飲み合わせ…薬について、もっと知ろう
「おくすり手帳」や薬局を上手に利用しよう
ジェネリック医薬品ってどんな薬?

用法、用量、飲み合わせ…薬について、もっと知ろう

●処方薬と市販薬の違い

薬は大きく分けて、処方薬と市販薬があります。処方薬(医療用医薬品)は、医師の処方箋に基づいて出される薬のことで、いわゆる「医師からもらった薬」をさします。一方、市販薬(一般用医薬品)は、処方箋なしで薬局や薬店などで買える薬のことで、大衆薬・OTC薬(Over The Counter Drug)とも呼ばれます。

処方薬と市販薬の大きな違いは効き方の強さにあります。処方薬の第一の目的は病気に有効であること、つまりよく効くことです。その分、副作用も強く出る可能性があります。それに対して市販薬は、誰もがいつでも使えることから安全性に重点が置かれています。薬の効き目はおだやかで、副作用も出にくくなっています。

なお、薬事法が改正され、2009年6月1日から市販薬はリスクの程度に応じて、「第1類医薬品」「第2類医薬品」「第3類医薬品」の3グループに分類されています。中でもH2ブロッカー含有薬などの第1類医薬品は、他の市販薬に比べ、効き目が強いので注意が必要です。購入時に薬剤師から説明がありますので、きちんと指示に従いましょう。

●用法、用量を必ず守って

薬の治療に有効な作用を“主作用”、体に好ましくない反応を“副作用”といいます。副作用をできるだけ少なくするには、用法、用量を守ることが大切です。

医師や薬剤師から薬の説明をされた場合は、よく注意して聞きましょう。また、使う前に、処方薬の場合は薬袋に書かれた用法を、市販薬の場合は説明書を必ずしっかりと読みましょう。

服用の際に注意するポイントは、服用量、服用回数、服用時間の3つです。これらのどれを間違えても、作用が弱くなったり、逆に効きすぎたりする可能性があります。

図:食前、食間、食後とは?

●飲み忘れたら?

多くの場合、薬の飲み忘れに気づいたら、その時点で飲めばOKです。次の服用時間が近い場合はそれまで待ち、1回分だけ飲みます。ただし、薬の種類によってはこの限りではないので、あらかじめ薬剤師などに確認しておきましょう。2回分まとめて飲むことは危険なので、絶対に避けます。

同じ病気の薬でも、1日1回あるいは2回飲む薬が出ている場合があります。どうしても忘れてしまうという人は、医師や薬剤師に相談するとよいでしょう。また、何種類もの薬が処方されている場合は、服用時間ごとに1回に飲む薬を袋などにまとめる“一包化”もオススメです。一包化は薬局で対応してくれます。

●“コップ1杯の水”が原則

薬と一緒に飲む飲み物によっては、薬の作用を強めたり弱めたりするものがあります。たとえばコーヒー、紅茶、日本茶などに入っているカフェインには、興奮作用があります。鎮静剤をこうした飲み物と一緒にとることは、まったく逆効果になります。だからと言って、飲み物なしで薬だけ飲むと、のどや食道にひっかかったまま溶け出してしまうこともあります。

薬はまずコップ半分の水で飲み込み、さらにコップ半分程度の水を飲むようにするとよいでしょう。

●薬の飲み合わせに注意

薬同士がお互いに影響し合って、思わぬ症状が現れることを「相互作用」といいます。一部の食品が、薬の働きに影響を及ぼすこともあります。時には、深刻な症状をもたらすこともあるので注意が必要です。薬を使う前に、飲み合わせについて必ず医師に確認しましょう。

図:相互作用の例 腰痛、神経痛など ジクロフェナクナトリウム+高血圧、心不全など トリアムテレン(利尿薬)=急性腎不全
白血病 イマチニブ 不整脈など ペラパミル 移植、ネフローゼなど シクロスポリン(免疫抑制剤)+グレープフルーツ または グレープフルーツジュース=効果が強く現れる
脳梗塞など ワルファリンカリウム(抗血栓薬)+ビタミンKの多い食品(納豆など)=効果が弱くなる

「おくすり手帳」や薬局を上手に利用しよう

●薬の情報を記録する習慣を

医療機関を受診したとき、医師や薬剤師に「今どんな薬を飲んでいますか?」と必ず聞かれます。これは、同じ作用のある薬や相互作用のある薬を処方することを避けるためです。たとえば、整形外科で腰痛の痛み止めの薬が処方され、内科でのどの痛みをとる痛み止めの薬が処方されると、痛み止めの薬が二重に処方されることになります。結果として、過剰な痛み止めの薬が体内に入ることになり、副作用の危険が高まります。

「副作用が出たことはありませんか?」という質問も同様に、過去に副作用を起こした薬と同じ成分を含むものを処方することを防ぐためです。

しかし、こうした質問をされてもすぐに答えられないことが多いのではないでしょうか。そこでオススメしたいのは、薬の記録を残しておくことです。

記録するものは大学ノートでも手作りノートでもなんでもよいのですが、薬局で用意している「おくすり手帳」なら、必要な情報を書く欄がコンパクトにまとめられていて、とても便利です。

●「おくすり手帳」に記入しておきたい情報

「おくすり手帳」に決まった形はありませんが、次の欄は共通で必ず記載があります。

(1)氏名や生年月日、住所、電話、血液型などの基本情報

(2)受診歴や既往歴

(3)アレルギーの有無

(4)副作用歴

(5)調剤日・薬剤名・用法・用量・医療機関名、薬局名

処方薬だけでなく、市販薬やサプリメントなどについても書き留めましょう。検査値などのデータも記録しておけば健康管理記録にもなります。

図:おくすり手帳の例

●受診時には必ず「おくすり手帳」を持参

病院や薬局ごとに「おくすり手帳」を分けると、情報がバラバラになってしまいます。情報は1冊にまとめましょう。もちろん、「おくすり手帳」を入手した薬局だけでなく、全国どこの医療機関、薬局でも使えます。

もう一つ大事なポイントは、医師や薬剤師に聞かれたときにすぐに提示できるように、受診の際には必ず持参することです。

さらに、外出時や旅行先で病気になったり事故にあったりして、急に治療を受けることになったとき、薬の情報を的確に医療者に伝えることができるので、常に携帯しておくとより安心です。

●“かかりつけ薬局”を持とう

医師が出した処方箋に基づいて薬を調剤する薬局を「調剤薬局」といいます。調剤薬局であればどこでも調剤してもらえますが、いつも利用する薬局、つまり“かかりつけ薬局”を決めておくことをオススメします。

かかりつけ医が自分の健康状態や病歴を十分に知っているように、かかりつけ薬局では、その人の体質やこれまで服用した薬、副作用の有無などをすべて把握・記録しています。そのため、複数の医師から処方された薬の重複や飲み合わせのチェックなど、確認がしやすくなります。

「お薬が大きすぎて飲みにくい」「飲み忘れてしまうけれどいい方法はないかしら」「粉薬は苦手」など、ちょっとした薬の相談は、知らない薬局だとなかなかしづらいもの。でも、かかりつけ薬局があれば、そうした相談も気軽にできます。

■処方箋にも有効期限があります! 処方箋に有効期限があることをご存じですか。有効期限は発行日を含めて4日間となっています。期限を過ぎた場合は、再度受診して処方箋を新しく発行してもらわなくてはいけません。医療機関で処方箋を渡されたら、期限内に調剤薬局に行き、薬を処方してもらいましょう。

ジェネリック医薬品ってどんな薬?

●特許の切れた先発医薬品と同じ有効成分を配合

新薬は、製薬会社が研究開発に長い時間と膨大な費用をかけて製造し、市場に送り出したものです。そのため、新薬には通常、他の製薬会社が同じものを販売できないように特許が取得されています。これを先発医薬品と呼ぶのに対して、特許が切れたあとに新薬と同じ主成分・分量などがほぼ同じで、効能・効果も同等とみなされる処方薬がジェネリック医薬品(後発医薬品)です。

●ジェネリック医薬品の特徴は?

先発医薬品と異なり、開発費用が不要なため、価格が基本的に安く設定されている点が大きな特徴です。したがって、患者さん個人の医療費負担を軽減することができます。このことは、国の医療費削減にもつながります。また、ジェネリック医薬品の中には、味や飲みやすさなどを改良したものもあります。

反面、薬の有効性や副作用などの情報が先発医薬品に比べて少ないという欠点があります。特許の切れたすべての医薬品がジェネリック医薬品として製造・販売されているわけではなく、中には先発医薬品と代替できるジェネリック医薬品がない場合もあります。

●ジェネリック医薬品を希望したいときは

治療の必要上、ジェネリック医薬品が適さないと医師が判断した場合には、ジェネリック医薬品は利用できません。その場合は、処方箋の「変更不可」欄に、医師の署名または記名・押印があります。署名等がなければ、患者さんが希望すればジェネリック医薬品に替えることができます。

図:処方箋イメージ

「ジェネリック医薬品を希望します」と診察を受けたその場で言い出しにくいという場合には、健康保険組合など各保険者から発行されている「ジェネリック医薬品お願いカード」や、下記のサイトからダウンロードできる「お願いカード」などを利用するとよいでしょう。医療機関窓口や診察時と一緒に、あるいは薬局で、お願いカードを提示します。なお、ジェネリック医薬品に変更する場合は、必ず医師や薬剤師から十分な説明を受け、納得したうえで選択することが大切です。

「かんじゃさんの薬箱」http://www.generic.gr.jp/    ※別ウィンドウが開きます。

(日本ジェネリック医薬品学会が運営するジェネリック医薬品の情報サイトへリンクします。自分が使っている医薬品を入力することでジェネリック医薬品の検索もできます。)

■薬には2つの名前があります 薬の名前には、製薬会社がつける「商品名」と、薬の成分を示す「一般名」があります。一般名は、日本だけでなく世界中どこでも通用します。覚えておけば、外国で薬を購入するときに役立ちます。 また、自分がどんな薬を飲んでいるかを調べる場合にも、一般名が手がかりになります。最近は、インターネットで処方薬について調べるためのサイトがたくさんあります。これらのサイトを利用すれば、効能、副作用、使用上の注意などを知ることができます。

協力:オーエムツー(荻 和子)