健康コラム ちょっと気になる健康と病気のマメ知識!

今からでも遅くない、花粉症対策!

花粉症シーズンまっただ中。鼻水や鼻づまり、くしゃみ、目のかゆみなど、さまざまな不快な症状でツライ思いをしている方も多いのでは。少しでも症状を和らげる工夫で、この時期を上手に乗り切りましょう。
コラムINDEX
“外出時でも屋内でも”花粉をシャットアウト!
生活スタイルを見直し免疫機能を整えよう。
今後もずっと花粉症に悩まされるの?

“外出時でも屋内でも”花粉をシャットアウト!

花粉症は、体の免疫反応が花粉に過剰に反応して症状が出る病気です。まだ花粉症になっていない人も、突然、症状が現れる可能性があります。今、花粉症の症状で悩んでいる人は症状を緩和するために、そうでない人は今後の発症を防ぐために、花粉症対策に取り組みましょう。

■花粉症対策の基本は「花粉と接触しない」こと

花粉が多く飛ぶ日は、おのずと花粉を吸い込む量が増え、症状が重くなります。逆にいえば、花粉を吸い込む量を少なくすれば、症状を緩和させることが可能ということです。

花粉と接触しないよう生活スタイルや環境を改善すれば、症状はかなり軽くなります。

外出時のセルフケア

花粉は鼻や目の粘膜に付きやすいので、目と鼻をしっかりガードすることがポイントです。

①マスク

自分に合ったサイズを選びましょう。マスクと鼻の間に隙間ができないように装着することが大切です。湿ったガーゼを挟むのも効果的。

マスクのサイズの測り方 親指と人差し指でL字形を作ります。 L字形にした状態で、耳の付け根の一番高いところに親指の先端を当て、鼻の付け根から1cm下のところに人差し指の先端を当てます。 親指から人差し指までの長さを測れば、それがサイズの目安になります。測った長さが
9~11cm…………子供用サイズがおすすめ 10.5~12.5cm……小さめサイズがおすすめ 12~14.5cm………ふつうサイズがおすすめ 14cm以上…………大きめサイズがおすすめ 全国マスク工業会HPより

②メガネ

メガネをしない場合に比べ、通常のメガネの装着でも目に入る花粉の量は約3分の1に減少します。花粉症用メガネだとさらに少なくなります。

③洋服

ウールなど毛羽立った素材は花粉が付着しやすいので避けたほうが無難です。静電気が起きにくい素材を選ぶこともポイントです。

④帽子

花粉が髪の毛に付着するのを防ぎます。長い髪はまとめてから、帽子をかぶりましょう。

*外出から戻ったら、家に入る前に洋服にブラシをかけて花粉を落としましょう。併せて手洗い、うがい、洗顔で皮膚に付いた花粉を流しましょう。

<花粉が多く飛ぶのは、こんな日・こんな時>

・晴れて暖かい日
・雨が降った日の翌日
・風が強い日
・昼前後と日没後

屋内(自宅など)の中での注意

①窓

花粉は少し窓を開けただけでも室内に入ってきます。窓を開ける時はカーテンを閉めれば、入ってくる花粉の量を減らせます。

②床

人が出入りするわずかな隙間からも花粉は屋内に入ってくるので、こまめに掃除をしましょう。フローリングは、花粉を空中に舞い上がらせないためにモップやワイパー、ぞうきんを使っての掃除がお勧めです。

③湿度

空気が乾燥すると花粉が浮遊しやすくなります。加湿器などで50%くらいに調整するとよいでしょう。

④布団

外に干した布団は内側にも多くの花粉が付いています。取り込む時は、吸い込まないようにマスクを着けて、内側もしっかり花粉を払い落しましょう。布団カバーで覆って干し、取り込む時に外すのもよい方法です。

⑤洗濯物

タオルなど毛足の長い洗濯物は花粉が付きやすいので、こうした類だけでも室内に干すとよいでしょう。

「モーニングアタック」

花粉症の症状が朝起きがけに強く出る、という方はいませんか。この症状を俗に「モーニングアタック」といいます。

モーニングアタックが起きる原因は大きく分けて2つあるとされています。一つは、自律神経の切り替えがうまくいかないことではないかといわれています。目覚めによって、就寝中に優位に働いていた副交感神経から、活動中に優位に働く交感神経へと、自律神経のスイッチが切り替わります。ところが、この切り替えがうまくいかないことで、重い症状が出やすくなるのではないかと考えられています。

もう一つの原因は、寝ている間に布団や床の上に積もった花粉です。朝起きて布団から立ち上がったりする時に、そうした花粉が空中に舞い上がり、それを吸い込むことで現れやすくなるといわれます。

モーニングアタックを防ぐには、目が覚めたらすぐにマスクをしたり、布団の中で少し待って体がしっかり目覚めてから起き上がったりするとよいでしょう。もちろん、家の中の花粉をできるだけ少なくしておくことも忘れずに。

生活スタイルを見直し免疫機能を整えよう。

免疫機能を整えることは、症状の緩和や抑制につながります。正常な免疫機能を保つために、次のことを試してみてはいかがでしょう。

①免疫の働きを整える食材を積極的に摂る

ブドウなどに多く含まれるポリフェノールは抗酸化作用があり、免疫反応の働きを調整します。てん茶、ウーロン茶や、ほうじ茶などに多く含まれるカテキンもポリフェノールの一種で、同様の効果が期待できます。

②ヨーグルトで免疫バランスを整える

ヨーグルトは腸の免疫細胞に働きかけ、免疫バランスを整える働きがあるといわれています。

③油の多い食事を控える

一般に使用されている植物油やマーガリンに含まれるn-6系脂肪酸は、摂りすぎるとアレルギー症状を悪化させるといわれています。一方、魚やえごま油などに含まれるn-3系脂肪酸はアレルギー症状を緩和させるといわれています。

④体を温める

体を冷やすと免疫機能が乱れやすくなります。衣服などで冷えから体を守りましょう。ぬるめのお風呂にゆっくり入り、体を芯から温めるのも効果的です。

⑤十分な睡眠と休養をとる

睡眠不足やストレスは免疫機能の乱れを招いたり、花粉症の症状を悪化させる原因になります。十分な睡眠とストレス解消に努めましょう。

花粉症の人が注意したい野菜・果物・ナッツ類がある!?

花粉と野菜・果物・ナッツ類にはアレルギーを引き起こす共通のタンパク質(抗原物質)があることが知られ、「口腔アレルギー症候群」と呼ばれています。よく知られているのがシラカンバと、リンゴやサクランボなどのバラ科の果実の組み合わせで、シラカンバ花粉症の人の30~50%が口腔アレルギー症候群を引き起こすと報告されています。代表的な症状は舌がピリピリしたり、しびれたりすることですが、時には、意識障害を引き起こしたり、生命にも危険が及ぶ全身性のアレルギー反応であるアナフィラキシーショックに見舞われることもあります。原因となる食物を避けることが一番の予防策です。

花粉との関連が報告されている食物(野菜・果物・ナッツ類)

今後もずっと花粉症に悩まされるの?

■最近、よく耳にする減感作療法って何?

花粉症にまつわる最近のトピックスの一つに、2014年10月からスギ花粉症を対象とした舌下(ぜっか)免疫療法の薬が健康保険の適用となったことが挙げられます。

舌下免疫療法は、原因となる花粉エキスを少しずつ体内に入れ、徐々に体を慣らしていく減感作療法の一つです。減感作療法には、舌下免疫療法のほかに、注射により薬を体内に入れる皮下免疫療法があり、こちらはすでに健康保険の適用となっています。皮下免疫療法は、注射による痛みがあり、治療当初は頻回に通院しなければなりません。一方、舌下免疫療法は、薬液を舌の裏にたらして服用する方法なので、自宅で行えます。

減感作療法は、現在、唯一の根本治療ですが、舌下免疫療法、皮下免疫療法ともに、治療に最低2年必要で、治療を受けた人全員が効果を得られるわけではありません。また、アナフィラキシーショックのリスクを伴います。加えて、花粉のシーズンが終わってから治療を開始しますので、今の時期には受けることができません。

また、舌下免疫療法については新しい治療法のため、どこの医療機関でも治療が受けられるわけではありません。受診する際には、医療機関にあらかじめ問い合わせるとよいでしょう。 治療を受けるにあたっては、きちんと医師からの説明を聞き、納得したうえで受けることが大切です。

■受診して原因を明らかにすることも大切

この時期に鼻水やくしゃみが出たからといって、花粉症とは限りません。また、花粉症の原因となる花粉もスギだけではありません。症状がある時は、一度受診をして症状の原因を明らかにしましょう。

特に、だんだん症状が悪化してきたり、症状が重くて眠れないといった場合は、早期の受診をお勧めします。

協力:オーエムツー(荻 和子)