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ちょっと気になる健康と病気のマメ知識!健康コラム

2016年4月から胃がん検診の方法が選べるように!「内視鏡検査」と「X線検査」、あなたはどちらを選ぶ?

毎年約5万人が亡くなっている胃がんは、がんの死亡数で2位、罹患数では1位を占めています。しかし、早期発見できれば比較的治癒しやすいがんです。早期発見に有効な方法は胃がん検診です。市区町村や職域などで胃がん検診を実施していますが、その内容が2016年4月から少し変更されました。今回は、最新の胃がん検診についてお伝えします。

●2013年のがん死亡数が多い部位

1位 2位 3位 4位 5位
男性 大腸 肝臓 膵臓
女性 大腸 膵臓 乳房
男女計 大腸 膵臓 肝臓

出典:国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』 人口動態統計によるがん死亡データ

●2011年のがん罹患数(全国推計値)が多い部位

1位 2位 3位 4位 5位
男性 前立腺 大腸 肝臓
女性 乳房 大腸 子宮
男女計 大腸 前立腺 乳房

出典:国立がん研究センターがん情報サービス『がん登録・統計』 地域がん登録全国推計による罹患データ

コラムINDEX

胃がんを早期発見するには、「胃がん検診」を受けること

これまでの胃がん検診ではX線検査が行われてきた

内視鏡検査の有効性が確認された!

内視鏡検査の流れ

経口内視鏡と経鼻内視鏡の特徴

要精密検査と診断されたら必ず受診を

胃がんを早期発見するには、「胃がん検診」を受けること

胃の壁は、内側から粘膜、粘膜下層、筋層、漿膜(しょうまく)下層、漿膜の5層から構成されています。胃がんの多くは粘膜に発生し、徐々に漿膜に向かって広がっていきます。また、がん細胞が血液やリンパ液に入り込み、他の場所に移動し、そこで増殖することがあります。これを転移といいます。がん細胞が粘膜下層でとどまっている場合を早期がん(広さや転移の有無は問われません)、それよりももっと深く浸潤している場合を進行がんといいます。

診断技術や治療技術の進歩により、胃がんは早期であれば完治する可能性が高くなっています。

しかし胃がんは一般的に、初期段階では自覚症状がほとんど現れません。症状が出たとしても胃の膨満感や胸やけなどで、胃潰瘍や胃炎などと勘違いしがちです。そのため市販の胃薬などで対処してしまい、異常と感じる症状が現れたときには、進行がんの段階に入っていたというケースが少なくありません。

胃がんを早期発見するには、定期的に胃がん検診を受けることが大切です。

これまでの胃がん検診ではX線検査が行われてきた

がん検診には、市区町村や職域で行われる「対策型検診」と、医療機関が行う人間ドックなどの「任意型検診」の2つの種類があります。「対策型検診」は住民や従業員など、対象集団全体の死亡率を下げるためのもので、胃がん、肺がん、乳がん、大腸がん、子宮頸がんに対し、科学的に有効性が証明された検査方法を無料または少額の自己負担で実施しています。「任意型検診」は、個人の死亡リスクを下げるために行われるもので、主要な5つのがん以外にも卵巣がんや前立腺がんなどに対して、「対策型検診」で行われていない先端的な検査も実施されています。基本的に全額自己負担です。

胃がんの「対策型検診」は、これまでX線検査のみが40歳以上の男女を対象に年1回行われていました。X線検査は、造影剤(バリウム)を胃粘膜に付着させて撮影し、粘膜の凹凸と形状から診断する方法です。

厚生労働省では検討会を設け、昨年9月に胃がんの「対策型検診」について会議を開き、これまでのX線検査に加え、内視鏡検査も推奨することを提言しました。これを受けて、今年4月からX線検査か内視鏡検査のいずれかを選べるようになりました。

内視鏡検査の有効性が確認された!

なぜ、厚生労働省の検討会は内視鏡検査を推奨したのでしょうか。そのベースになったのが、昨年4月に国立がん研究センターが発表した「有効性評価に基づく胃がん検診ガイドライン2014年版」です。これを作成するにあたり、国立がん研究センターは近年報告された国内外の複数の研究発表を分析したところ、例えば鳥取市や新潟市で行われた研究では、3年間に1度でも内視鏡検診を受けることで胃がんの死亡リスクが約30%減少することがわかりました。これらを踏まえ、「胃内視鏡検査は胃がんによる死亡率を減少させる効果がある」と判断したのです。

今年4月から市区町村や職域で行われる内視鏡検査の対象者は50歳以上の男女で、2年に1回の実施となります。なお、X線検査に関してはしばらくの間は従来どおり40歳以上の男女を対象に、年に1回実施されます。

●胃がん検診

2015年度まで 2016年度から
受診間隔 年1回 2年に1回*
対象 40歳以上 50歳以上*
検査内容 X線検査
要精密検査の場合は
内視鏡検査
X線検査
または
内視鏡検査

*自治体によってはX線検査を40歳以上を対象に年1回実施するところがある。

内視鏡検査の流れ

内視鏡検査とは、先端に小型カメラが付いた内視鏡という器具を用いて胃内を調べる検査です。X線検査は臨床検査技師が行いますが、内視鏡検査は訓練を受けた専門医師が行います。まだ専門医師の数が限られているため、すべての市区町村や職域で内視鏡検査が実施できるとは限りません。内視鏡検査を受けたいときは、まず市区町村や職域検診の担当者に受けられるかどうか確認しましょう。

受けられる医療機関がわかったら、予約を入れます。その際、注意事項の説明を必ず聞きましょう。特に抗血栓薬や降圧剤などを服用している人はその旨を伝えなければなりません。

検査前日の午後9時くらいから検査を受けるまでは、胃の中に水以外の物を入れてはいけません。食事はそれまでに済ませておきましょう。

内視鏡検査には、口から管を入れる「経口内視鏡」と鼻から入れる「経鼻内視鏡」があります。施設に両方の内視鏡が用意されていれば、どちらかを選べますが、施設によっては一方しか用意していないところもあります。

内視鏡検査では、まず、胃の中をきれいにする消泡剤を飲みます。

その後、経口内視鏡検査であれば喉に麻酔をかけます。麻酔薬には、喉にためておくタイプと飲み込むタイプがあります。経鼻内視鏡検査では、まず鼻を広げる血管収縮剤を鼻の中にスプレーします。その後、麻酔薬をスプレーで吹き付けたり、麻酔薬が含まれたゼリー状の液体を流し込んだりします。

経口内視鏡はマウスピースをくわえたのち、内視鏡が挿入されます。検査の所要時間は5~10分程度です。経鼻内視鏡はそのまま鼻から内視鏡を入れます。所要時間は10~15分程度です。

●経口内視鏡検査のイメージ

経口内視鏡と経鼻内視鏡の特徴

経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査は、それぞれ特徴があります。経口内視鏡検査の場合、内視鏡が舌の付け根に当たると、「オエー」となる嘔吐反射が現れ、大きなストレスになることがあります。一方、経鼻内視鏡検査は舌の付け根を通らないので、嘔吐反射はほとんど起こりません。ただし鼻の中が狭かったりすると、内視鏡が鼻の中を通る際に痛かったり、鼻血が出ることがあります。

経口内視鏡検査は検査中に心拍数や血圧が上昇することが多いですが、経鼻内視鏡検査は心拍数も血圧もあまり変化せず、肺や心臓への影響は少ないといえます。

経口内視鏡検査では口が内視鏡でふさがれているので検査中に医師と話はできませんが、経鼻内視鏡検査の場合は口が自由な状態になっているので、検査中でもモニターを見ながら気になったことを医師にたずねることができます。

経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査ではもう一つ大きな違いがあります。それは、内視鏡の先端に付いている小型カメラの大きさです。経口内視鏡の直径が8~9mm 程度であるのに対し、経鼻内視鏡は5~6mmと約半分です。直径が大きい分、より性能の良いカメラが付けられているので、経口内視鏡のほうが解像度が高く、観察できる視野も広く、観察力にまさります。

両者に共通していえることですが、非常にまれに出血することや、穿孔(せんこう)といって食道や胃の壁に穴が開くことがありますので、医師から注意事項の説明を聞くようにしてください。

●経口内視鏡検査と経鼻内視鏡検査の違い

経口内視鏡検査 経鼻内視鏡検査
麻酔検査の
所要時間
5~10分 10~15分
嘔吐反射 強い ほとんどない
心拍数 上昇 あまり変化しない
血圧 上昇 あまり変化しない
検査中の会話 できない できる
解像度 鮮明 経口内視鏡検査に
比べ劣る

※検査の所要時間は医療機関によって異なります。

胃がんリスク検査を実施する自治体もある

有効性を判断する証拠が不十分なため、がん検診のメニューとしては国ではまだ推奨されていませんが、胃がんリスク検診(通称、ABC検診※)を取り入れている市区町村もあります。検査内容は、胃粘膜萎縮を調べるペプシノゲン検査と、胃がん発症に関係していると考えられているピロリ菌の有無をチェックするヘリコバクター・ピロリIgG抗体検査です。いずれも採血して調べます。

ペプシノゲンは胃液中のたんぱく質を消化する酵素・ペプシンのもとになる物質で、血液中のペプシノゲンを測定することで胃の粘膜の萎縮の程度がわかります。萎縮性胃炎があると、胃がんになりやすいことが知られています。ピロリ菌は胃の粘膜に棲みつき、胃酸から身を守るためにアンモニアを産生します。その状態が長く続くと、粘膜が傷害されて胃炎になり、さらに胃潰瘍から胃がんへと進むことが多いと考えられています。

※ABC検診は胃がんの危険度を診断するもので、胃がんかどうかがわかるわけではありません。

要精密検査と診断されたら必ず受診を

胃がん検診の受診率は男性45.8%、女性33.8%(国立がん研究センターによる)となっており、いまだ半数にも達していません。既述したように胃がんは早期発見・早期治療により治る可能性が高いので、ぜひ胃がん検診を受け早期発見に努めましょう。

がん検診で「要精密検査」と診断されたら、必ず医療機関を受診し、より詳しい検査を受けましょう。中には「がんと診断されるのが恐い」と言って精密検査を受けない人がいます。それではせっかく受けたがん検診が活かせません。

さらに、日々の胃がん予防対策も大切です。塩分の摂りすぎや食生活、喫煙などは胃がん発生のリスクを高めます。塩分を控える、野菜や果物を積極的に摂る、禁煙するなどを心がけましょう。


協力:オーエムツー(荻 和子)

(2016年6月 作成)