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ちょっと気になる健康と病気のマメ知識!健康コラム

日本人の2人に1人が感染!ピロリ菌と胃がんの関係性

「いつも胃が痛い」「胃もたれや胸やけなどが続く」といった慢性胃炎や胃潰瘍の症状を抱えている人は多いのではないでしょうか。
慢性胃炎や胃潰瘍は、ストレスによって起こるといわれていますが、最も大きな原因はピロリ菌の感染であることが明らかになっています。さらに、ピロリ菌の感染は、なんと胃がんの発症と関係しているとも!
あなたの胃の中にも、ひょっとしたらピロリ菌が棲んでいるかもしれません。

コラムINDEX

ピロリ菌は胃がんの危険因子

50歳以上は特に要注意!?ピロリ菌感染に気をつけたい人は?

3種類の薬を服用して除菌

塩分の摂りすぎや喫煙も胃がんのリスク要因

定期的な胃がん検診も忘れずに

ピロリ菌は胃がんの危険因子

ピロリ菌は、正式には「ヘリコバクター・ピロリ」といいます。「ヘリコバクター」はらせん型の細菌、「ピロリ」は胃の幽門(出口付近)を意味します。

胃の中は、強い酸性の胃液が分泌されているため、細菌が存在しないと考えられてきました。ところが、1980年代に胃炎の患者さんの胃の粘膜から、細菌の一種であるピロリ菌が分離・培養されたのです。その後のさまざまな研究で、ピロリ菌が胃の中でどのように作用し、胃にどう影響を及ぼしているのかが徐々に判明してきました。

ピロリ菌はアルカリ性のアンモニアを産生して、胃酸を中和します。ピロリ菌が長い間棲みついていると、アンモニアなどで胃の粘膜が傷つきます。また、菌から胃を守ろうとするための免疫反応により胃の粘膜に炎症が起こります。

炎症が長期化すると、ピロリ菌感染胃炎という慢性胃炎を生じ、これが進行すると、今度は胃潰瘍が起こってきます。胃がんの患者さんの多くにピロリ菌感染胃炎が見られることから、ピロリ菌は胃がんの危険因子であると考えられています。

50歳以上は特に要注意!?ピロリ菌感染に気をつけたい人は?

ピロリ菌は口から入って胃の中に棲みつきます。通常、免疫力の弱い5歳くらいまでに感染します。一般的に、環境衛生がよくない国、とりわけ上下水道の普及率が低い国ほどピロリ菌に感染している人が多いとされます。日本は今でこそ上下水道が普及していますが、かつては整備が不十分でした。その頃に乳幼児期を過ごした50歳以上の世代は7~8割がピロリ菌に感染しており、その数は日本人のおよそ半数にあたるといわれています。

ピロリ菌は胃がんのリスクを高めることから、ピロリ菌を取り除くことが胃がん予防につながります。「いつも胃が痛い」「胃もたれや胸やけなどが続く」などの症状がある人、すでに慢性胃炎や胃潰瘍と診断された人、40歳以上の人はピロリ菌に感染しているかどうかを調べるとよいでしょう。

3種類の薬を服用して除菌

ピロリ菌感染を調べる検査には、内視鏡で胃の組織の一部を採取する方法や、血液や呼気、便、尿を調べる方法などがあります。

内視鏡を使わない検査例

ピロリ菌に感染していることが判明したら、除菌療法を受けることを勧められます。除菌療法では、2種類の抗菌薬と1種類の胃酸抑制薬、計3種類の薬を1日2回、1週間服用します。その後、4週間以上間隔を空けてもう一度検査を行い、ピロリ菌がいなくなっていれば除菌は成功です。成功率は8割ほどといわれています。

除菌がうまくいかなかった場合は、2種類の抗菌薬のうち1種類を別の薬に変えて、再度療法を行います。1回目と2回目の療法を合わせると、全体の9割以上の人が除菌に成功するとされています。

薬の副作用で、除菌中に軟便や下痢などの症状が起きたり、食べ物の味がしなかったりすることがあります。また除菌療法の終了後に、胃酸が逆流して、胸やけや胃液が喉にこみ上げてくる症状が現れることがあります。強い症状が出たときには医師に相談しましょう。

なお、①胃潰瘍・十二指腸潰瘍、②ピロリ菌感染胃炎、③胃MALTリンパ腫(悪性リンパ腫の一種)、④特発性血小板減少紫斑病、⑤早期胃がん内視鏡治療後の胃の除菌療法には、公的医療保険が適用されます。しかし、胃潰瘍などがなく、胃がん予防のためにピロリ菌の有無を調べ、菌がいれば除菌をする、という場合には公的医療保険は適用されず、全額自己負担となります。

塩分の摂りすぎや喫煙も胃がんのリスク要因

ピロリ菌を取り除いても、すでにピロリ菌感染胃炎が進行していたり、目に見えないがんが存在していたりするかもしれません。除菌に成功したからといって100%胃がんを防止できるわけではないことを認識し、除菌後もさまざまな予防策を講じることが大切です。

胃がんのリスク要因として塩分の摂りすぎがあげられます。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2015)」において、1日の塩分摂取量の基準値は男性8.0g未満、女性7.0g未満となっています。ところが、実際の摂取量は男性11.0g、女性9.2g(厚生労働省「平成27年国民健康・栄養調査」)と男女とも基準値より2.0gほど多くなっています。

塩分を摂りすぎないためには、漬物や魚の干物、つくだ煮など塩分を多く含む食品を摂るのは控えめにする、麺類の汁は残す、味噌汁は具だくさんにする、だしやうま味のある素材を使って薄味調理にする、香辛料やハーブなどで風味と味にアクセントをつけるなどの工夫をすることが大切です。

また、喫煙は胃がん以外のがんにかかるリスクも高めます。タバコを吸っている人はぜひ禁煙しましょう。

定期的な胃がん検診も忘れずに

日本人が発症するがんの中で胃がんの死亡者数は長い間1位でした。最近になり、胃がんによる死亡者数は減ってきましたが、それでもなお男性は全がん中2位、女性は3位となっています(2014年/国立がん研究センターがん情報サービス)。一方、早期であれば、胃がんはほぼ治すことができます。

胃がんは、初期にはほとんど症状は現れません。早期発見・早期治療には定期的に胃がん検診を受けることが大切です。ピロリ菌除菌や減塩などの予防法の実践でリスクを少しでも下げるとともに、胃がん検診で早期発見・早期治療に努めることが、今私たちにできる最善の胃がん対策といえるでしょう。


協力:オーエムツー(荻 和子)

(2017年5月 作成)