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まず、家を買うと、賃貸時とは違うランニングコストがいろいろかかります。たとえば、マンションを買うと、管理費と修繕積立金といった維持費が毎月かかります。管理費は廊下や玄関の清掃やエレベーターの保守点検などの日々のメンテナンスの費用、そして、修繕積立金は10年後・20年後などの大規模なメンテナンスのために積み立てていく位置づけのお金です。物件にもよりますが、合わせて1~3万円の負担になるところが主流です。 無理のない住宅購入にするなら、この管理費と修繕積立金の負担を見込んで、以下の式にあてはまるようなローン返済額で借入可能額を逆算(図表1)して考えると無難です。 なお、「ボーナス返済を組み込めば、無理のない毎月返済額にできて、希望の物件に手が届く」というケースでも、その分だけ、背伸びしている自覚を持ちましょう。今のような不安定な時代下では、ボーナス返済額は「毎月のローン返済額と同額~1.5倍程度」の額までに抑えておいたほうが堅実です。 |
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持ち家ならではのコスト、それは、固定資産税と都市計画税です。物件にもよりますが、都市圏では毎年10~20万円前後の請求が来ます。「えっ、そんなに?」と思うかもしれませんが、近年は“住宅ローン控除”という税金の還付額が充実しているので、多くのご家庭ではそれをそのまま固定資産税に充てる形でやりくりしています。 土地と建物の両方にかかりますが、新築物件の建物部分については固定資産税が半額になる特例が、一般に、マンションで5年間、 戸建てであれば3年間にわたり適用されます。そのため、これらの特例が切れる3~5年経過後や、住宅ローン控除による還付金が終わる10年経過後は、固定資産税・都市計画税の負担が確実に増えます。つまり、購入当初は大丈夫でも、将来的にはボーナスからの捻出を予定しておく必要がありそうです。 ちなみに、「住宅ローン控除」の還付を受ける口座と、固定資産税を支払う口座を同じにしておくと、毎年の過不足がわかりやすくて便利です。 |
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ここで、住宅ローンの種類について見ておくと、フラット35などの「全期間固定金利型」と、10年などの一定期間だけ金利を固定する「固定期間選択型」と、5年ごとに返済額が変わる 「変動金利型」の3つが主流です。 それぞれの2012年10月現在の金利水準は、順に、2.5%、1.5%(固定期間10年の場合)、1%くらいの水準ですので、変動金利型で借りる人が少なくありません。 ただ、「変動金利型」の金利が低いのにはワケがあり、借入時の金利が固定される期間はわずか半年だけです。以後は金利がアップすると、返済額のアップはすべて借り入れた人が負担する仕組みになっています。貯蓄や収入が少なく、返済額のアップにとても耐えられそうにないというご家庭は、「変動金利型」で長い返済期間で借りるとアトがありません。 「全期間固定金利型」であれば、金利がアップした際はその増加分は銀行等が負担するので、貯蓄や収入にゆとりがないご家庭でも安心です。逆に、貯蓄が潤沢なご家庭は、「変動金利型」を使って短期間で返済してしまうほうが効率的と言えそうです。 |
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残念ながら、住まいのうち“建物部分”には、消費税がかかります。4,000万円の物件で、そのうち、建物部分が1,500万円という物件であれば、今買うと75万円で済む消費税の負担も、平成26年4月以降に8%となると120万円、平成27年10月から10%になると150万円の負担になります。 ちなみに、中古物件など業者を通じて購入するケースでは、仲介手数料(一般的には物件価格の3%+6万円)にも消費税がかかります。 同じものを買うのに余分に税金を負担するわけなので、じゃあ、今のうちにと住宅購入を検討する人も増えています。 ただ、消費税が3%から5%にアップした過去の例で言えば、ギリギリになると物件価格が高めになる傾向が見られました。75万円の消費税負担を避けるために買いに走って、結果、数百万円も割高の物件を掴んでしまっては本末転倒ですね。 前向きに買いたいと思っている人はしっかり情報収集して基礎知識を身に付け、目を養っておくことが大切です。高い買い物ですので慎重な判断が重要です。 |
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ローンは借り入れた時がゴールではなく、長い返済生活の始まりです。数十年という長い期間にわたり、金利上昇や収入ダウンの波にのまれないように、前向きに舵取りしていく視点が必要です。 まとまったお金を用意して借入先に申し入れるだけですぐ実行できるのが「繰り上げ返済」で、期間短縮型と返済額軽減型の2つがあります。節約効果の高さから期間短縮型が人気のため、以下にその概略をお伝えします。 毎月のローン返済額が10万円というプランで100万円を繰り上げ返済(内入れ)すると「短縮される期間は10カ月分?」と思う人がいますが、さにあらず。繰り上げ返済のお金は、まるまる元金部分に充当されるのです。借り入れ当初は毎月のローン返済額に占める元金部分が少ないので、より多くの期間を短縮できるので特に有効です。 たとえば、借り入れから5年後に100万円を繰り上げ返済するケースでは、2年7カ月(図表3のc)も短縮されます。この結果、107万円分の利息(b)を支払わなくて済みます。払うことを求められていた107万円が不要になるので、その額だけ家計にゆとりができ、将来の老後資金づくりにも回すことができますね。 ちなみに、同じ100万円を繰り上げ返済するにしても、15年後、25年後のほうが5年後にくらべると、いまひとつな結果に。つまり、借り入れから早い時期ほど、短縮される期間も節約される利息も多くなり、繰り上げ返済の効果は高くなります。 今、手元に余裕資金があり、効果的な運用先がないという人は、今が繰り上げ返済するのに旬な時期かも。前向きに検討してみてはいかがでしょうか。 |
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さて、繰り上げ返済よりもちょっと手間がかかりますが、高い効果が見込める住宅ローンのメンテナンス方法に「借り換え」があります。今は史上最低水準の金利ですので、ちょっと前に借りた人が今借り換えれば、総返済額を大幅に減らすことも可能です。 効果がでる目安は、一般に、「ローン残高1,000万円以上、返済期間10年以上、新しいローン(低い金利)と今のローン(高い金利)の差が1%以上」で、この点をクリアすれば、借り換え手数料の負担を考慮しても損しないと言われています。借り換え手数料は30~60万円程度なので、「繰り上げ返済」より少ない資金で実行可能です。興味がある方は調べてみてくださいね。 |
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