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ファイナンシャルプランナーが教える、わかる!「おかねのはなし」 マネーコラム

災害による被害、ふるさと納税、空き家の売却… 知らないと損する?確定申告3つのポイント

世の中、知らないと損することがたくさんあります。中でも、確定申告をするだけで税金を取り戻せる諸制度は、場合によっては日々の節約よりも家計にとって大きな効果をもたらすことも…。今回は、確定申告で知らないと損をする制度の中から、以下3つのポイントを、2016年度税制改正の変更点とともにご案内します。

●自然災害や盗難で被害を受けたとき
●ふるさと納税でワンストップ特例制度を利用するとき
●空き家を売却するとき

竹下 さくら さん CFP®/一級ファイナンシャル・プランニング技能士
コラムINDEX

自然災害や盗難などの被害に遭ったとき、税金を取り戻すには?

「ふるさと納税」で最近多い落とし穴

2016年から登場!「空き家売却」に関する特例とは

自然災害や盗難などの被害に遭ったとき、税金を取り戻すには?

今年も、地震や台風、ゲリラ豪雨、竜巻、落雷などの被害が相次いで報道されています。もし、自然災害で住まいが被害を受けたら、忘れずに確定申告をしましょう。「雑損控除」と「災害減免法」という2つの方法で、支払った税金の還付を受けられます。

図表1/住まいが被害を受けたときに適用できる2つの制度

主な特徴は図表1の通りです。所得金額の合計額が1,000万円以下の方は、雑損控除と災害減免法のどちらか一方を選択することができますが、どちらが得になるかは被害の状況や所得によって異なります。所得金額の合計額が1,000万円超の方は雑損控除のみ利用できます。

所得税額は、所得の合計から経費や所得控除(配偶者控除や生命保険料控除など)を差し引いた額に税率を掛けて算出します。雑損控除は、自身の資産が災害や盗難などによって損害を受けた場合に、その損失の一部を所得から差し引くことのできる所得控除です。雑損控除は、その年だけでは使いきれなかった控除額を翌年以降3年間にわたって繰り越せるので、被害額が大きい場合に特に有効です。

一方、災害減免法は比較的所得の少ない人に有利ですが、具体的に試算した上での判断が重要なので、税務署の無料相談などを活用すると良いでしょう。

また、雑損控除は、自然災害のほかに盗難・横領で被害を受けた通常生活に必要な資産への損害も対象になります。オレオレ詐欺や振り込め詐欺での損害が対象になるか、気になる方もいると思いますが、残念ながら詐欺による損害は雑損控除の対象にはなりません。

詐欺と盗難・横領は似たものに思われがちですが、税務上は明確に区別されています。詐欺は、騙されたことであっても最終的には被害者本人の意思によって行われたものとみなされますが、盗難・横領は、被害者本人の知らないところで行われたものと考えられます。最近は、マイナンバー詐欺などの新しい詐欺も増えているので、詐欺による損害が雑損控除の対象にならない点は注意しておきましょう。

「ふるさと納税」で最近多い落とし穴

熊本地震などの被災地の応援として「ふるさと納税」を活用する方が増えていますが、落とし穴にはまり、せっかくの寄附金控除が受けられずに損してしまった、というケースが散見されています。その多くは「ワンストップ特例制度」で発生していますので、3つの事例で確認しておきましょう。

ふるさと納税は確定申告で手続きする寄附金控除によってお得になる仕組みです。ワンストップ特例制度は、会社員など確定申告をする必要のない方がふるさと納税の際にも確定申告を不要にできる制度で、寄附先の自治体が5カ所以内の場合に、寄附先の自治体に申請することで確定申告を不要にできます。年末調整で納税の手続きを終えられる会社員などの場合、ふるさと納税のためにわざわざ確定申告をするのは面倒なので、このワンストップ特例制度が2015年から導入されています。

落とし穴の1点目は、上限の5カ所を超えて寄附をしてしまうというケースです。
複数の自治体のふるさと納税でワンストップ特例制度を利用していた方が、「熊本地震の復興支援のために、ふるさと納税をしよう」と思い立って申請したものの、上限の5カ所を超えていたことが原因で寄附金控除が適用されなかった、ということがあります。
ご自身が何カ所に寄附をしたのかを管理しておくことが大切です。

2点目は、ワンストップ特例制度を利用した方が、医療費控除などのために確定申告をした結果、ワンストップ特例制度で申請したはずの寄附金控除が適用されなかったというケースです。寄附金控除はワンストップ特例制度で手続きが完了しているからと考え、確定申告時に寄附金控除の手続きをしなかったことが原因です。
会社員などが年末調整と確定申告の両方をした場合、確定申告の内容で納税額が決まります。同様に、ワンストップ特例制度の利用後に確定申告をすると、確定申告の内容で納税額が決まります。確定申告時には寄附金控除の手続きも忘れないように注意が必要です。

3点目は、引越しをしたため、ワンストップ特例制度で申請したはずの寄附金控除が適用されなかった、というケースです。ワンストップ特例制度では、申請書の記載事項に変更がある場合は届け出が必要です。例えば、今年(平成28年)ワンストップ特例制度を利用した後で、住所地の市町村外へ引越しした場合、平成29年1月10日までに申請先に変更の届け出をしなければ、ワンストップ特例制度の適用が無効になってしまうので、注意が必要です。

2016年から登場!「空き家売却」に関する特例とは

最近、空き家問題についての報道が多いと思った方はいませんか。 空き家は年々増加中で、周辺への衛生上・環境上の悪影響のほか、地震の際の倒壊や放火の危険性も問題視されています。
近所に空き家が見当たらないとつい他人事に思いがちですが、実は、空き家はいつ我が身に降りかかってもおかしくない問題なのです。

例えば、ご自身は都会で働いていて老親は田舎で一人暮らしという方は、老親が他界してしまった場合など、いつか家を相続しますよね。そういった場合、ご自身は仕事で忙しく実家に帰れない場合が多いため、その実家は誰も住めない状況となり、老朽化が進みます。窓が締め切られた空き家は湿気がたまり、雨漏りやシロアリ被害の発見も遅れたり、倒壊の危険性もあります。郵便受けにセールスのチラシなどがたまると、放火や不法侵入の危険性も高まり、近所から不安の声が出るのは時間の問題です。
空き家の管理業者に依頼するにも費用がかかります。とりあえず更地にしようと思っても、家の解体費用がかかる上に、固定資産税は空き家が建っているときの数倍になるため、どうしても二の足を踏む方が多いのが現状です。

さっさと売却してしまえば良いのかと思っても、マイホーム(居住用財産)を売却したときに利用できる特例(売却益から3,000万円を控除できる特例)は、昨年までは自宅にしか適用できず、空き家は適用外でした。そのため、空き家のまま放置された物件が全国にたくさん存在しているのです。

そこで今年から登場したのが、「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。2016年4月から、親などから相続した空き家や解体後の土地を売却した際に、マイホームの売却時と同様に売却益から3,000万円を控除して確定申告ができるようになりました。
例えば、空き家を売却して1,000万円の売却益が出た場合、これまでは所得税30%、住民税9%、復興特別所得税2.1%が差し引かれて、手元に残るお金は約590万円でした(自宅として使用していない、取得後5年以下の場合)。
それが、この特例を利用すると、売却益1,000万円は3,000万円の控除の枠内のため税金がかからず、1,000万円をまるまる手にできるのです。どれほどパワフルな特例かわかりますね。

ただし、この特例にはタイムリミットがあります(図表2)。また、耐震リフォームをした上での売却か、空き家を解体して更地にした上での売却かなど、細かな要件がありますので税理士等に確認・相談をした上での活用がおすすめです。

図表2/空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例

以上、知らないと損をするポイントを3つお届けしました。いずれも確定申告をして初めてお得になったり、損を防げるものばかりです。慣れない手続きで心配な方は、税務署の無料相談などを利用したり、必要資料を取り寄せるなど早めに準備をすることをおすすめします。

(2016年11月 作成)