Aflac
アフラック公式ホームページ TOP
ご契約者の方ページ

ファイナンシャルプランナーが教える、わかる!「おかねのはなし」 マネーコラム

ドラッグストアのレシートを捨てると「損」!?「セルフメディケーション税制」で賢く節税!

「セルフメディケーション税制」は、薬局・薬店・ドラッグストアなど(以下、薬局)で購入した医薬品でも節税できるという、今年始まったばかりの新しい制度です。今回は、「セルフメディケーション税制」の活用ポイントを紹介します。

竹下 さくら さん CFP®/一級ファイナンシャル・プランニング技能士
コラムINDEX

年間12,000円以上から!
「医療費控除」よりも利用のハードルが低め

ポイント1:対象になる医薬品は限定されている

ポイント2:「医療費控除」の方がお得な場合も?

ポイント3:利用者に要件がある点に注意

年間12,000円以上から!
「医療費控除」よりも利用のハードルが低め

聞き慣れないという人も多いかもしれませんが、セルフメディケーションは、自分自身で傷病・症候を判断し医療製品を使用することを指す言葉です。今年の1月から始まった「セルフメディケーション税制」は、簡単にいうと、軽い症状のときは病院に行かずに薬局で購入した薬を使って“自分で治す”よう試みた人の税金を軽くする制度です(世界保健機関(WHO)では「自分自身の健康に責任を持ち、軽度な身体の不調は自分で手当てすること」と定義されています)。

実は、これまでも薬局で購入した風邪薬などは「医療費控除」の対象となっていましたが、「セルフメディケーション税制」はそのハードルとなる金額をグンと下げた特例です。

「医療費控除」は、1年間の医療費の自己負担額が10万円(その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額)を超えた場合に利用できる所得控除です。しかし、医療費の自己負担額が10万円を超えるのは、入院や手術、出産、歯科治療など限られたケースになってしまうのが現状です。

一方、「セルフメディケーション税制」では、薬局で購入した所定の市販薬の金額が年間12,000円以上であれば、所得控除の対象にできます。

過度に医者に頼らないことで、国の財政を圧迫している医療費の適正化にもつながるため、私達にとっても国にとってもwin-winな制度といえそうです。

ただし、利用にあたってはいくつか注意しておきたいポイントがあります。

ポイント1:対象になる医薬品は限定されている

まず覚えておきたいのが、すべての医薬品が「セルフメディケーション税制」の対象になるわけではなく、「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる所定の医薬品に限定されています。

スイッチOTC医薬品とは、もともと処方箋が必要だった医薬品の中から、副作用が少ないといった理由などで一般用医薬品にスイッチ(転換)されたものを指します。ここでいうOTC(オー・ティー・シー)とは、Over the Counter(オーバー・ザ・カウンター)の頭文字を取ったもので、医師の処方箋無しで、薬局のカウンター越しで購入できる一般用医薬品のことをいいます。

具体的にどんな薬が該当するのかは、厚生労働省のホームページにある「セルフメディケーション税制対象品目一覧」(※外部サイトにリンクします)に載っており、2017年2月14日現在で1,600品目を超えています。

図表1/スイッチOTC医薬品のマーク薬局では、スイッチOTC医薬品である旨のマークが付いている薬と、マークが付いていなくても対象になる薬が混在していますが、レシート(領収書)には「セルフメディケーション税制」の対象商品である旨の記載がされています。疑問に思った場合は薬局の店員に聞いたり、レシート(領収書)を確認するのが良いでしょう。

なお、「セルフメディケーション税制」を利用する際には、レシート(領収書)を添付する必要があるので、レシート(領収書)は無くさないようちゃんと保管しておくことも重要です。

ちなみに、インターネットで購入したスイッチOTC医薬品も「セルフメディケーション税制」を利用できますが、その際も領収書が必要です。購入する際に領収書の発行手順を確認しておくと安心です。

ポイント2:「医療費控除」の方がお得な場合も?

「セルフメディケーション税制」と「医療費控除」は、併用が認められていません。いずれか一つ、得する方を選んで活用しましょう。

医療費の自己負担額が10万円に満たなければ、「医療費控除」は利用できないと割り切れるのですが、特に迷うのは自己負担額が10万円を少し超えたぐらいになったときです。

図表2/年間11万円の医療費負担の制度利用例

たとえば、年間で医療費の自己負担額が11万円の場合、「医療費控除」を利用すると、10,000円(=11万円-10万円)の所得控除を受けることができます。一方、「セルフメディケーション税制」では、薬局で購入したスイッチOTC医薬品の購入額によって所得控除の額が変わります。

例1のように購入したスイッチOTC医薬品の合計額が20,000円であれば、「セルフメディケーション税制」で所得控除される額は8,000円(=20,000円-12,000円)なので、「医療費控除」を選んだ方が得です。

しかし、合計額が30,000円の例2のケースでは18,000円(=30,000円-12,000円)、40,000円の例3のケースでは28,000円(=40,000円-12,000円)の所得控除が受けられるので、明らかに「セルフメディケーション税制」を選んだ方が得です。

なお、控除額の上限は「医療費控除」が年間200万円、「セルフメディケーション税制」が年間10万円となっています。1月1日から12月31日までのレシート(領収書)を集めて計算し、どちらを利用した方が得なのか判断すると良いでしょう。

◆実際に計算してみよう!(日本一般用医薬品連合会)
https://www.jfsmi.jp/lp/tax/#income

ポイント3:利用者に要件がある点に注意

「セルフメディケーション税制」を利用するにあたっては、“人”に関する要件にも注意が必要です。

具体的には、①普段から健康管理をしていて ②所得税・住民税を払っている人が、年間12,000円以上のスイッチOTC医薬品を購入したときに利用できます。

①は、“一年間のうちに健康の維持増進や疾病の予防への取り組みを行っている人”ということで、特定健康診査(いわゆるメタボ健診)、予防接種、定期健康診断、健康診査、がん検診などの受診情報の提出が求められる点に留意しておきましょう。

②について、「医療費控除」と同様に所得税・住民税を払っていない人は利用できません。

たとえば、扶養に入っていて所得税・住民税を納めていない専業主婦が、健康診断やインフルエンザの予防接種を受けていないといったケースでは、「セルフメディケーション税制」の要件を満たしていません。このようなケースでも、扶養者である夫が妻の分もまとめて申請することで制度を利用することが可能です。

(2017年5月 作成)