相談する勇気に敬意を払って
第三者だからこそ
何でも話せる場所に。
看護師・保健師の資格を持ち、
がん患者・ご家族への相談支援業務に8年従事
中村 香織 / 看護師、保健師
がん看護の看護師経験を糧に。
ご自身の専門分野や得意分野は何ですか?
看護師と保健師の資格を持っています。臨床現場で13年間ほど働いていたのですが、主にがん患者様とご家族様の意思決定の支援や緩和ケア、退院支援に関わってきました。
そんながん看護の経験を活かし、アフラックのよりそうがん相談サポーターとして、在宅療養で困っていることに対する公的サービスの紹介や、主治医と相談する際にどんな風にコミュニケーションを取ればいいのかをアドバイスしています。
本当に困った時こそサポートしたい。
アフラックのよりそうがん相談サポーターになろうと思ったきっかけは?
もともと看護師を目指したきっかけが、がん看護に携わりたいという想いからでした。医師の道も考えたものの、看護師の方がより深く患者様やご家族様のケアをできそうだなと思って。そして多くのがん患者様やご家族様に関わってきたのですが、医療機関では入院期間が短縮し、外来治療に移行している経緯があり、私自身はもっと患者様やご家族様にじっくりかかわる機会を持ちたいと感じるようになったんです。
また、通院や入院中のタイミング以外にお話しできる機会が少なく、生活の中で困っていたり、治療方針をどうやって決めたらいいのか悩んでいたり、本当に困っている時に関わることも難しくて。そんな中で、困った時にご自身のタイミングで相談できるこのサービスの存在を知り、ぜひアフラックのよりそうがん相談サポーターになりたいと思いました。
一人ひとり異なるご相談内容。
どのような方からのご相談が多いですか?
がん患者様とご家族様※が利用できるサービスですが、現時点ではご家族様からのご相談よりも患者ご本人様のご利用が多いです。特に治療中の方、診断を受けたばかりの方から、ご家族でも主治医でもない第三者へ話せる場として様々なご相談をいただいています。治療方針についてのご相談、不安なお気持ち、生活と治療の両立についてのご相談等が多いのですが、一人ひとり内容は異なるので、ご相談者様によりそい、しっかりお話を聞くことを心がけています。
一気に話してくださる方もいれば、「さっき診断を受けたばかりで……」と言葉に詰まってしまう方もいて、ご相談の仕方も様々です。
中にはご相談ではなく、報告だけしてくれる方も。「今日はこんなことがあってね」と気分転換といいますか、第三者に気持ちを吐き出せる場としてご活用いただいています。
※「アフラックのよりそうがん相談サポート」は被保険者様ご本人だけでなく、被保険者様の同意を得た2親等以内親族の方もご利用可能です。
子育て中や介護中の方からのご相談も。
お金や治療のこと以外にはどんなご相談がありますか?
診断を受けたばかりの方から、ご自身の不安な気持ちを他の人がどうやって不安を乗り越えたのかを知りたいというご相談を受けたことがあります。まずは不安な気持ちによりそえるように、今はどういう状況なのか、しっかり話を伺います。そのうえで、今後の治療についてイメージが持てるように専門カウンセラーとの対面相談サービスをご提案したり、他の方がどんな気持ちでいるのかについては、がん経験者が交流できるコミュニティサイトをご紹介したりする場合もあります。
子育て中の方から、治療で副作用が出てきた場合のお子様の世話についてのご相談を受けたことも。すでに地域の公的サービスは利用されている状況だったので、育児にも対応してもらえる家事援助のサービスをご紹介したところ、ほっとされたご様子で声に明るさが戻っていらっしゃいました。
治療と介護を両立している方から、自分が入院した場合に親の介護をどうすればいいのかというご相談も。
アフラックのよりそうがん相談サポーターになって、治療以外の日常生活に関する相談先があまりないことに、改めて気づきました。「こんなことも聞いていいんだ」、「こんな悩みにも答えが返ってくるなんて」と、喜んでいただいています。
不安な気持ちにしっかりよりそう。
ご相談を受ける際に心がけていることは何ですか?
まずは相手のお話をしっかりと聞くことを心がけています。がん患者様とそのご家族様はがんという病気に向き合う中で、不安や辛い気持ちを抱えながら、気持ちの整理もなかなかつかない状況にいらっしゃいます。またその方にとっては初めての体験であり、色々な感情や困りごとが複雑に絡んで混乱してしまうことも多いと思います。
漠然とした不安についてお話を伺った時などは、まずはその方がありのままを話せるように、「今はこういう状況なんですね、お辛いですね」と気持ちによりそうように心がけています。一緒に沈黙を共有することもあれば、あいづちだけの時間もあります。対面と異なり触れることができないお電話でも、どうすればご相談者様に「よりそってもらえている」と感じていただけるか試行錯誤しながら対応しています。
情報交換しながら多角的な視点を養う。
チームでご相談を受けるにあたり、心がけていることはありますか?
チームには看護師だけでなく、社会福祉士など様々な職種や経験を持ったサポーターが揃っています。日々チームでご相談内容の振り返りを行う中で、その方にとって何が大切で、どのようなサポートができるかを多角的に考える視点を養っています。
また、ご相談を伺って自分だけで解決が難しい場面では、あいまいな回答はせず、一度チーム内で話し合い、改めて回答を伝えるようにしています。
もちろん悩みを共有したり、辛い気持ちを解きほぐしたりという場面では全員が責任を持って対応できますが、その先のお金のご相談などは看護師よりも社会福祉士の方が得意分野。がん領域では情報更新も早く、それを取り巻く環境も変わるため、互いに最新の情報をキャッチできるよう、情報交換を積極的に行いながら、チーム一同自己研鑽に努めています。
第三者だからこそ本当の悩みを聞ける。
アフラックのよりそうがん相談サポーターとしてどんな時にやりがいを感じますか?
ご相談を受けていると、「主治医にこんなことを聞いていいの?」、「こんなことに悩んでいるけれど相談する先がない」とおっしゃる方が多い印象です。治療してくれる医師だからこそ伝えづらいことがあったり、大事なご家族だからこそ遠慮して言えないこともありますよね。私たちは第三者だからこそ、色々なご相談を吐き出す場として多くの方にご利用いただいています。ふと話したいと思った時に電話をかけてもらえて、本当のお悩みを聞けるというのは、アフラックのよりそうがん相談サポーターの醍醐味であり、「ここがあって良かった」と言ってもらえた時はやりがいを感じますね。
最近の出来事ですが、何度かご相談いただいた後にしばらく連絡がなかった方から、「ふと思い出して、話したら楽になるかなと思って」と、久しぶりにお電話をいただきました。何かあったら電話しようと覚えてくださっているということに、自分たちのやりたいことが伝わっていると感じて、心にじーんときました。
ご相談者様に感謝と敬意を込めて。
がんに関する不安や悩みを抱える方にどんなことを伝えたいですか?
ご相談者様の中に、「今は気持ちが落ち着かないし、まだ何もわからないから、聞きたいことを整理してから相談します」とおっしゃる方がいるのですが、不安やモヤモヤした気持ち、混乱している状況は話すことで整理できる可能性があります。気になることがあれば、整理前のモヤモヤとした状態でも気軽にご連絡いただきたいです。
電話をいただく度に、勇気を出してかけてくださったんだろうなと感じます。自分に置きかえて考えた時、相談サービスがあるとわかっていても後回しにして、なかなか相談できないと思うんです。だからこそ、相談してくださった際には、「お電話をかけていただいて、本当にありがとうございます」という気持ちを常にもってサポートしています。
・アフラックのよりそうがん相談サポートは、Hatch Healthcare株式会社が提供するサービスであり、アフラックの提供する保険またはサービスではありません。
・サービスの詳細は、アフラックオフィシャルホームページにてご確認ください。