がんという言葉はよく聞きますが、実際にがんとはどういう病気なんでしょうか?
タカヒロレトリバーさん(20代男性)
がんのイメージって、菅さんはどうですか?
昔は、治らないイメージがありましたね。
僕らの子どもの頃って、そうですよね。
今はちょっと変わってきたよね?
医療技術の進歩によって、がんは早期発見で治すことのできる病気になりつつあります。
最近そういう印象あるね。
がんと一言で言っても、部位とかタイプによってさまざまなんですよね。
予防できるがんもあれば、予防できないがんもあって。
ただ、完全に防ぐことは難しいと言われています。
そうなんだ。
あとは、万が一がんになった場合、治療がよく効くタイプと、治療が効きづらく、「転移」や「再発」を起こすタイプがあります。
そうなると治療が長引いてしまいます。
よく聞く「ステージ」や「がん家系」とは。
転移とか再発ってよく聞くね。
あと「ステージ」も。ステージI(1)とかステージIV(4)とか。
ステージはがんの進行度のことで、ステージⅠからステージⅣまでの4段階に分類されています。
具体的にどう分類されてるの?
がんの深さや大きさ、周辺リンパ節や他の臓器への転移の有無で判定されます。
がんの部位によって生存率や治療法も違うので、ステージはあくまで目安です。
なるほど。あと「がん家系」もよく聞くけど、あれって信憑性あるのかな?
がんの多くは、親から子どもに遺伝するのではなく、生まれてから遺伝子に生じた変異が原因だとされていますね。
遺伝じゃなく、変異ね。
ただ、遺伝子の変異の一部には、親から子へ遺伝するものがあって、がんになるリスクを高めることもわかっています。
それ結構興味深いね。
例えば、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんは、お母さんを乳がんで亡くされたことがキッカケで、
自分の遺伝子を調べたところ、遺伝性の乳がんになりやすいことがわかったので、予防のために手術をされたそうです。(※)
※「国立がん研究センター がん情報サービス『遺伝性腫瘍・家族性腫瘍』」より
そういうケースもあるんだ。
菅さんも、人間ドックは毎年行ってますよね。
行ってるね。
僕は、わりとがん検診までやってます。病院好きなんで!
暇を見つけては病院行ってるよね。家おるか、病院おるか、みたいな。
(笑)
意外なところにも、がんは発生する。
あとタカヒロレトリバーさんが聞きたそうなこと…がんの種類?
さっきの乳がんのほかにも、いろいろありますよね。
胃がん、肺がん、肝臓がん、腎臓がん…
そういう臓器にできるがんと、骨肉腫や平滑筋肉腫という、骨や筋肉にできるがんもあります。
骨とか、筋肉にもできるんだ。
あと、白血病や悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など、血液に関係する細胞ががんになってしまう、というものもあります。
いろいろあるなー。そもそもなんでがんって発生するの?
腫瘍=がん、という認識でいいのかな?
いえ、腫瘍の中にも「良性腫瘍」と「悪性腫瘍」があって。
一般的にがんと呼ばれるのは、悪性腫瘍のほうです。
悪性のほうなんだ。
良性腫瘍は、命に関わる心配がないことが大半です。(※)
※ 良性腫瘍は、細胞の種類や腫瘍の大きさ、できた場所によっては症状が出ることがあります。
腫瘍は腫瘍でも、良性か悪性かで、がんかどうか決まるんですね。
知らないこといっぱいあるなー。
知らないことを一度に全部把握するのは大変ですよね。
だから、がんのことが気になってる方には、少しずつ知ってもらうのがいいと思います。
無理せず知っていくのが大事やね。
ちょっとずつ勉強するみたいなね。
ありがとうございました。
【監修者】
- ・稲葉可奈子:医師/医学博士/産婦人科専門医 (関東中央病院産婦人科勤務)
- ・楚山和司:社会保険労務士 (社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー 所長)