もし、がんと診断された場合、治療と仕事は両立できるのでしょうか?
ハムちゃんさん(40代男性)
これ、気になるよね。
実際に、がん罹患者全体のうちの20歳から64歳の割合は“約25%”(※)で、働き盛りの人にとっても、人ごとじゃなくなってきてますよね。
※国立がん研究センター がん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)2018年がん統計データをもとに算出
若い世代でも、がんと診断されて、SNSで発信される方も増えてきたよね。
芸人の先輩でも、治療を経て活躍されてる方って結構おられますしね。それだけがんという病気が身近になってきました。
そこで気になってくるのが、“治療と仕事の両立は可能なのか?”
がんの発見のタイミングや、そのときのがんのステージなどにもよりますが、長期入院せず、通院しながら仕事を続ける割合は増えてきているんです。(※)
※厚生労働省「事業場における治療と仕事の両立支援のためのガイドライン(全体版)令和3年3月改訂版」より
“がん=長期入院、仕事を辞める”というイメージを持ってる人もいると思うけど、必ずしもそうってことじゃないと。
はい。通院で治療を受けながら働く、という選択肢もあるんです。
ただその場合、会社側の配慮やサポートが必要やね。
そのがん患者さんが1人で不安を抱え込まないためにも必要です。
治療と仕事の両立のために、まずすること。
もし会社員の方なら、例えば主治医の先生、上司、人事部、産業医(※)の方とかに相談するのかな?
※産業医:事業場において労働者の健康管理等について、専門的な立場から指導・助言を行う医師のこと。労働安全衛生法により、一定の規模の事業場には産業医の選任が義務付けられています。(事業場により産業医の在否や相談方法が異なります。相談可能かどうか、必ず社内ルールをご確認の上ご相談ください。)
そう、やっぱり最初に相談ですね。その上で、治療内容や体の状態に合わせて仕事を続けるか、考えていく。
続けるなら、働き方も話し合わないといけないね。
上司や人事部、総務部の方に聞きながら、社内の支援制度で活用できそうなものがあるか確認していただいて。
治療をしながら働き続けるための制度、どういうものがあるんだろう?
例えば、時短勤務制度やフレックス制度、在宅勤務制度。会社によっては、時間単位で有給休暇を取得できたり、職務内容の変更も相談できたり様々です。(※)
※休暇を取得するために、有給休暇制度・有給休暇の積立制度、休職する場合でも、病気休職制度などが利用できる可能性有り。
休みの制度も重要やね。その場合、職場復帰するときの仕事の内容のことも考えておいたほうがいいね。
主治医の先生に、今後の入院や通院の見通し、どの程度の仕事ならできるか、など具体的に相談していくのがいいと思います。
仕事内容によっても変わってくるもんね。
主治医の先生に、職場でどんな配慮が必要なのか、意見書を用意してもらえば、段階的な職務復帰がしやすくなりますね。
働きながら治療を続ける場合、病状や治療について、誰にどこまで伝えたらいいかも気になる。
そういうときは、相談窓口や産業医の先生と一緒に計画を立てていくといいと思います。
そういう手段がない方、例えばフリーランスや個人事業主の方はどうしたらいいの?
今は個人で仕事をされる方も多い時代ですけど、会社内の制度がないので、入院や治療期間中、仕事ができない可能性もありますよね。
その分、収入は減るよね。
だからこそ、フリーランスや個人事業主の方は、がん保険だけじゃなく、病気やケガで働けなくなったときの収入減少を支える「就労所得保障保険」に加入することが備えになります。
なるほど。相談するところはあるの?フリーランスや個人事業主の方もそうやし、会社勤めでも、職場に相談相手が見つからない方もいるよね。
がん相談支援センターというところで相談できます。
あと、がん保険に相談サービスがついていることもあります。
※アフラックのがん保険には、がん専門カウンセラーの訪問面談や専門医紹介のサービスがあります。
会社以外にも相談できる窓口があるのは安心やね。
そうなんです。だから必要なときには相談していただくのがいいと思います。
がんの治療がひと段落したり、治療を続けながら仕事復帰するとなった場合、
どんな身体的変化が考えられるのでしょうか?
いつかの豆柴さん(50代女性)
治療の前と後では、変化が出てしまう場合もあるもんね。
がんの種類によっては、例えば、しびれがあるとか、疲れやすくなるとか。
それって周りから見ると分かりにくかったりするし、だからこそ自分で伝えていくことが大事やね。
ですね。あとは、外見の変化もあります。例えば、抗がん剤治療の影響で、髪の毛が抜けてしまったり。
外見の変化はどうケアする?
どうケアしていくのがいいのかな。
職場のルールや、社内だけでなく社外との関係も考慮しながら無理のない服装を選ぶとか。
例えば、ウィッグってどう選んだらいいのかな?
使う場面や価格で自分に合うものを選ぶとか。以前と同じ髪型を再現する方もおられますし、かぶり心地を大事にされる方もおられます。
無理のない範囲で選択していくと。ただ、費用もかかってくるよね。
だから外見ケアをカバーするがん保険もちゃんとあるんです。
ここまでカバーしてくれるんやね。
こういう情報を事前に知っておくと、よりスムーズに仕事復帰ができると思います。
いつかの豆柴さん、ぜひ覚えておいてください。
ありがとうございました。
【監修者】
- ・稲葉可奈子:医師/医学博士/産婦人科専門医 (関東中央病院産婦人科勤務)
- ・楚山和司:社会保険労務士 (社会保険労務士事務所そやま保育経営パートナー 所長)