「生きる」を創るエコシステムに関する取り組み

キャンサーエコシステムの構築に向けた取り組み

「がん患者本体のエンゲージメント」を目指して がん患者が社会で自分らしく生きるための3つのビジョン「がん患者本体のエンゲージメント」を目指して がん患者が社会で自分らしく生きるための3つのビジョン

がん・医療・介護に関する社会的課題は、発症前の健康増進・予防・検診受診から治療後のさまざまなケアやサポートまで広範囲に及びます。このなかで、保険だけではカバーできない課題に対しても、社会におけるさまざまなステークホルダーと連携・協業しながら解決していく、「生きる」を創るエコシステムの構築に向けて取り組みを進めています。
がんに関わる問題は、身体的問題や心理的・精神的な問題、さらには、就労や経済面を含めた社会的な問題など多岐にわたり、その解決には社会全体で対応しなければなりません。職場や学校、患者団体やNPO、企業、さらには行政機関などの多くのステークホルダーと連携・協業しながら、がんに関する社会的課題の包括的な解決を目指して、「キャンサーエコシステム」の構築に取り組み続けています。
当社が事務局を務めた「『がん患者本位のエンゲージメント』を考える会」の議論をまとめた書籍「『がん患者本位のエンゲージメント』を目指して~がん患者が社会で自分らしく生きるための3つのビジョン~」で提言されている3つのビジョンと10のアクションを踏まえ、誰もが安心して健やかに自分らしく生きる社会の実現に貢献していきます。

「『がん患者本位のエンゲージメント』を目指して」で提言されている3つのビジョンと10のアクション

ビジョン1 社会全体でがん患者を生涯にわたって支える
  1. 1さまざまな関係者による相談機会や情報の積極的な提供
  2. 2がん患者の状況や悩みに応じた「開かれた相談の場」の提供
  3. 3がん患者への就労支援と経済的支援制度の周知
ビジョン2 一人ひとりが安心して納得できる医療/ケアを受けられる
  1. 4さまざまな医療者によるがん患者本位のコミュニケーションの実現
  2. 5病院内におけるチーム医療の普及と定着
  3. 6地域における終末期を含めた総合的なケアの提供
  4. 7一人ひとりに合わせたがん医療の普及と周知
ビジョン3 がん患者が主役となって自分らしく生きるための素養とスキルを身に付ける
  1. 8医療/ケアを受ける時の基本的な素養の習得
  2. 9正しい医学情報を提供する仕組みと場の整備
  3. 10がん教育の普及と充実

キャンサーエコシステムの構築に向けた取り組みの概要

和歌山県 産官学連携がん啓発プロジェクトへの参画
和歌山県と当社は、健康課題の解決に向けた取り組みを推進することで、生涯にわたり健康を維持し、高齢や認知症になっても安心していきいきと暮らすことができる社会の実現を目指し、2023年に包括連携協定を締結しました。
連携・協力事項の一つとして「がんの正しい知識の普及啓発及びがん検診の受診率向上」を掲げており、2025年は、和歌山県、和歌山県立医科大学とともに産官学連携がん啓発プロジェクト「わかい世代!やってみよう検診!まもろう未来!~がん啓発プロジェクトin Wakayama ~」を立ち上げ、当社もそのメンバーとして参画しました。
和歌山県では、若年層における「子宮頸がん検診」の受診率が全国平均より低水準にとどまっており、こうした課題の解決に向け、和歌山県立医科大学 保健看護学部の学生が中心となり啓発資材の作成やSNSでの情報発信、がん啓発イベントを企画・実行しました。当事者でもある学生が、がん検診や早期発見の重要性を自らの言葉で伝えることで、幅広い世代に関心をもっていただくことができました。
地域におけるがん啓発活動
長野県茅野市では、地域課題である「大腸がん検診の受診率向上」をテーマに、地域のステークホルダーである茅野市、東海大学付属諏訪高等学校、組合立諏訪中央病院、地元患者団体と連携し、新しい形でのがん教育・がん啓発を通じた「地域のキャンサーエコシステム」の構築に取り組みました。
啓発施策は、生徒が主体的に企画・実行し、当社や地域のステークホルダーはその支援を担いました。啓発チラシやポスター、動画の制作に加え、市の広報誌への情報掲載、医療機関のイベントでのブース出展、生徒が講師となり地域の中学生に対しがん教育を行うなど、高校生ならではの柔軟な発想を活かしたさまざまな施策を実施しました。
これらの取り組みは地元メディアにも広く取り上げられ、地域における大腸がん啓発につなげることができました。
がんに対する正しい理解促進の取り組み
がんに対する正しい理解とがんの「早期発見・早期治療」の大切さを知っていただきたいという想いで、いつでもどこでもがんについて学べるWeb版「なるほどなっとく がんを知る教室」をリリースしました。「がんの国語」「がんの算数」など、学校の教科ごとにがんの基本的な情報を解説するコンテンツや、学習指導要領に則した「がんのクイズ」などのコンテンツを通して、分かりやすくがんについて学ぶことができます。また、学校においてがん教育が義務化されるなか、大人にもがんに対する正しい知識を届けることを目的に、放射線治療・緩和ケアの専門医と「大人も子どももがんを知る本」を作成しました。2人に1人ががんになる時代を生きるために必要な知識、がん就労支援の重要性、HPVワクチン、オプジーボ等の最新の薬物治療法や「心の痛み」のケアなどについて分かりやすくまとめており、教職員への研修会やがん検診受診の推進の場などで活用しています。
「がん教育」を通じた地域社会におけるがん啓発活動
文部科学省による新学習指導要領へのがん教育の実施に関する事項の明記、そして政府が策定したがん対策推進基本計画に基づき外部講師を活用したがん教育の推進が図られているなか、学校におけるがん教育や教職員向けのがん教育を積極的に推進しています。
地方自治体や教育委員会と連携し、小中学校や高等学校、さらには大学において、がん罹患経験のある当社社員や外部講師(経験者・医療従事者)によるがん教育を実施し、がんに関する正しい知識や命の大切さを伝えるとともに、生徒を通して保護者や地域の方々へのがんの理解促進を図っています。
また、教職員におけるがん教育のリテラシー向上を目的に、調布市の教育委員会と協働し、新任教員向けがん教育プログラムを実施しています。さらに、日本学校保健学会では学校教育関係者等を対象に、当社が推進するがん教育およびがん経験者(当社および子会社の社員)による講演を実施するなど、当事者の視点を取り込んだ実践的な啓発活動を推進しています。
「開かれた相談の場」への支援
がんになっても自分らしくあるために、不安や寂しさなどを受け入れ、精神的に支える「開かれた相談の場」が社会に必要と考えています。当社では、認定NPO法人マギーズ東京(東京都江東区)、認定NPO法人がんとむきあう会が主催する「元ちゃんハウス」(石川県金沢市)などの「開かれた相談の場」の取り組みに対して、アソシエイツとともに支援しています。
職域におけるキャンサーエコシステムの構築
当社は、株式会社日立製作所(以下、日立)およびGlobalLogic Japan株式会社(以下、GlobalLogic)との協創を進めており、がんを取り巻く社会的課題に対して、企業が従業員とその家族を包括的に支援する「職域版キャンサーエコシステム」の構築を目指しています。
2025年は「職域版キャンサーエコシステム」において重要な構成要素である「がんを知り・がんに備える」従業員向けプログラム*を設計し、日立において当該プログラムが「がんを意識する機会の拡大」「がん検診の受診機会の拡大」「がん保険の検討機会の拡大」に寄与するかを検証する実証実験を行いました。 その結果、いずれの観点においても、同プログラムの有用性を確認しました。
当社は、日立における本検証の実績をもとに「職域版キャンサーエコシステム」の構築に向けた「がんを知り・がんに備える」プログラムをより充実させ、ウェルビーイング向上を支援することを目指します。
  • *アフラック・日立・GlobalLogicが連携し、行動デザインを用いて、職場を起点に「がんを意識する」「検診を受ける」「保険を検討する」といった行動への従業員の自律的な変容を促すために作成したプログラム

介護エコシステムの構築に向けた取り組み

当社は、今後ますます高齢化が進む日本社会において「『生きる』を創る。」の実現を目指すうえで、がん同様に社会的課題が大きいとされる介護の領域においてもエコシステムの構築を目指し、2024年より介護エコシステムの構築に向けた活動を開始しました。
2024年には介護当事者(被介護者とご家族)を取り巻く、身体的・精神的な問題、さらには就労や経済面を含めた社会的課題を、徹底したデザイン思考で明らかにし、介護エコシステムの構築に向けた「3つのビジョンと10のアクション」を策定しました。
2040年の日本社会はさらなる高齢化と人口減少の加速が予測され、社会保障費の増大や地方の過疎化、介護や医療の担い手の不足など多様な課題に直面することになります。このような社会の到来に向け、当社は「3つのビジョンと10のアクション」を通じてさまざまなステークホルダーとの連携・協業を進め、社会的課題の解決に向けた取り組みを実践しています。

3つのビジョンと10のアクション

ビジョン1 当事者が最期まで自分らしく生きがいを感じ、相互に支え合う社会
  1. 1現代的なつながりを創り出すコミュニティの形成により、孤独・孤立を生み出さない環境の整備
  2. 2当事者が自らの役割を感じられる仕組みと場の提供
  3. 3当事者に最期までよりそう伴走サポートの実践
ビジョン2 当事者にとってより望ましいケアの実現に向けた包括的サポート
  1. 4事柄別でなく当事者に丸ごとよりそう相談体制の整備
  2. 5多職種間のシームレスな連携が進む、当事者を中心とした環境の整備
  3. 6日常における地域住民のかかわり合いの中で実践するケアの拡大
  4. 7介護・医療需要の増大による避けられない在宅ケアへの備えと生活モデルの実践
  5. 8家族をはじめとしたケアラー支援の普及と充実
ビジョン3 誰もが自らの人生と向きあう中で介護を自分事化する
  1. 9高齢者ニーズの変化を捉えた、介護に対する国民理解の促進
  2. 10介護への備えの機会の提供と実践のサポート

「介護エコシステム」の構築に向けた取り組みの概要

介護の自分事化に向けた地域における介護啓発活動

介護啓発イベントを地域の関係者を巻き込み、福井県にて実施しました。イベントを通じて介護を考える機会や介護を体験する機会を提供し、参加者の「介護の自分事化」の促進を図りました。当社は今後も「介護の自分事化」をテーマに、当社の取り組みに共感いただけるステークホルダーとの連携・協業により全国各地で介護啓発活動を実施していきます。

スタートアップ企業との共創

当社は、「『生きる』を創るエコシステム戦略」の実現に向けて、子会社であるAflac Ventures Japan株式会社が運営するCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)ファンド*を通じ、スタートアップ企業への機動的な投資を推進しています。これまでに約30社(2026年9月末時点)に投資を実行し、スタートアップ企業との共創による新たな価値の創造に取り組んでいます。

  • *自社の事業との相乗効果を得ることを目的に、主に未上場のスタートアップ企業に投資を行なうファンド