CSV経営を支えるアフラック生命保険株式会社のコーポレートガバナンス

コーポレートガバナンスに関する基本方針

お客様、社員、ビジネスパートナー、株主および社会などのステークホルダーの負託・信頼に応え、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するうえで、強固なコーポレートガバナンス態勢が不可欠です。当社は、各ステークホルダーの視点から、当社の健全な経営と適切な業務運営を確保するために準拠すべき考え方および方向性を「コーポレートガバナンス基本方針」に定め、ステークホルダー間のバランスとあるべき姿を絶えず考えながら、CSV経営を実践しています。
また、超VUCAの時代にあって、社会の変化や多様化がこれまでと全く違うレベルで加速しているなか、新たなニーズを充たし、お客様に感動いただける商品やサービスを迅速かつ適時に提供することが、お客様をはじめとするステークホルダーの期待に応えることになります。
超VUCAの時代のなかで経営のスピードを上げるためには、業務執行の機動性の向上が求められ、実効性の高いコーポレートガバナンス態勢がこれを可能とします。こうした考えに基づき、取締役会と業務執行部門との機能分化に基づく本質的な協業のさらなる高度化を通じて、コーポレートガバナンスの機動性・実効性の向上を追求し、強固なガバナンス態勢の維持・強化に努めています。

CSV経営の戦略的展開を支えるコーポレートガバナンス

当社は、創業の想いやブランドプロミス「『生きる』を創る。」等に表されるコアバリュー(基本的価値観)に基づき、独自の資源や専門性を活用して当社が向き合うべき社会的課題を解決し、社会のニーズに応える結果、経済的価値を生み出す企業活動、すなわちCSV経営を実践することで、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。
コーポレートガバナンスは、単に会社法をはじめとする関連法規などの要請に応えるだけのものではなく、超VUCAの時代に効果的な戦略フレームワークであるCSV経営の戦略的展開を支えるものです。当社は、ガバナンス態勢を経営戦略そのものとして捉えるとともに、事業部門、管理部門および内部監査部門の機能を3つのラインとする内部統制のベストプラクティスを採用し、強固な内部統制を確保する態勢を構築しています。

コーポレートガバナンス態勢

機関設計

当社は、会社法における監査役会設置会社を統治形態として採用しています。

取締役会
会社法、コーポレートガバナンス・コード、金融行政方針などの要請に応えつつ、CSV経営の実践に基づく健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向けて、取締役会では、経営の基本方針、中期経営戦略および経営戦術、組織など、当社の業務執行に関する重要な事項を討議・決定するとともに、取締役および執行役員の職務の執行を監督しています。なお、取締役会議長は代表取締役会長が務めています。
代表取締役を含む取締役は、当社における健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現し、すべてのステークホルダーの負託・信頼に応える強固なガバナンス態勢をさらに強化するため、取締役会の構成員として、当社の重要な業務執行に関する意思決定に参画するとともに、代表取締役、他の取締役および執行役員の業務執行を監督します。
取締役9名のうち、非業務執行の取締役は3名、女性の取締役は1名、外国籍の取締役は2名です。経営・ビジネスオペレーション・法務・医療分野だけでなく、情報通信技術(ICT)・デジタルテクノロジーや資産運用などの豊富な経験・スキルを有する取締役で構成されています。
取締役懇談会
取締役会における議論の実効性を高めるために取締役懇談会を設置しています。取締役懇談会は、すべての取締役により構成される会議体であり、必要に応じて監査役も出席し、グローバル・グループガバナンスに関する事項の検討および事前調整、ならびに中期経営戦略および経営戦術の実行性・実効性確保などに向けた議論を行います。
監査役会
監査役会は、社外監査役を含むすべての監査役で構成され、監査に関する重要な事項について報告を受け、協議または決議を行っています。
監査役は、取締役会に出席するとともに、監査役会の一員として、当社におけるステークホルダーの負託・信頼に応え、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現する強固なガバナンス態勢をさらに強化するため、当社のガバナンスと業務執行に対して監査を実施しています。監査役は、監査の実効性を確保するため、重要な会議の議事録や重要な稟議・決裁書類などについて閲覧ができる等の特別な権限が与えられています。また、取締役会以外の場でも、定期的に両代表取締役と対話する機会を持っています。
当社の監査役3名のうち、女性の監査役は1名です。当社で内部監査部門の担当役員の経験を有する常勤監査役1名と、法務・経営・会計監査分野での高度な知識と経験を持つ専門家であり、より独立した立場である社外監査役の2名で構成されています。
業務執行部門
社長は、代表取締役を兼務し、全社の業務執行を統括します。そのうえで、社長は、機動的な業務運営の実践に向けて、各領域の部門を統括する部門統括役員を設置し、その適切な裁量により、自らが有する業務執行権限の一部を部門統括役員に委譲します。業務執行権限の委譲を受けた部門統括役員は、社長に対して「3つの責任(デュー・デリジェンス責任、結果責任および説明責任)」を負います。そのうえで、社長は、部門統括役員に対し委譲した業務執行権限の行使状況を監督する責任を負います。
部門統括役員は、与えられた権限のもと、中期経営戦略に基づく、統括する部門にかかわる経営戦術を機動的に実行するために、部門ごとの戦略とイニシアチブに基づく人財マネジメント(部門型人財マネジメント)を展開します。部門統括役員は、与えられた権限の一部をさらに担当役員、部長および課長へ委譲し、委譲した業務執行権限の行使状況を監督する責任を負います。また、お客様への価値提供のスピードをより加速させていくために、当社では、従来の機能別の組織の枠組みを超えて機能横断チームを組成し活動するアジャイル型の組織を展開しています。取締役会決議を経て設置されたアジャイル型の組織においても、社長は、その適切な裁量により、自らが有する業務執行の権限の一部をトライブ・リードに委譲するとともに、自身が議長を務めるエグゼクティブ・レビュー・ボードを通じて、委譲した業務執行権限の行使状況を監督する責任を負います。

取締役会と業務執行部門との機能分化に基づく機動性・実効性の高いガバナンス態勢

有機的なサイクルの構築
当社は、取締役会と業務執行部門との機能分化を前提とした有機的なつながりによって、実効性の高い取締役会の運営と機動的な業務運営の実践を可能とするガバナンス態勢を確保しています。
具体的には、業務執行部門が取締役会の存在意義・役割を意識し、それを前提に熟考を重ねた経営戦略などの重要事項の企画・立案・提案および業務執行報告を行ったうえで、それに対してすべての取締役が健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け、重要事項を議論し、取締役会が決定します。
取締役会における決定の範囲内で、代表取締役による業務執行部門の各部門統括役員への適切な権限委譲が行われ、業務執行部門が「3つの責任」の実践を通じて機動的に課題解決を行います。取締役会による会社の全体的な業務執行状況の監督を通して、業務執行部門による新たな重要事項の提案がなされ、そしてそれが取締役会においてさらなる決定につながるという有機的なサイクルを回しています。
「自由闊達で建設的な議論」の実践
取締役会と業務執行部門との本質的な協業にあたっては、コーポレートガバナンス・コードで掲げられている「自由闊達で建設的な議論」が重要な要素になります。「自由闊達で建設的な議論」の実現にあたって、取締役会は、健全な企業家精神に基づく提案を歓迎し、意見交換を尊ぶ気風を醸成することに努めるとともに、取締役会において決定された提案が実行される際には、業務執行部門による迅速・果断な意思決定を支援しています。
同時に、業務執行部門は、考え抜かれた重要事項案を提示し、正直でオープンなコミュニケーションに努め、機動的に業務を執行しています。
経営戦術のモニタリングを通じた業務執行の機動性の向上
当社は、長期経営ビジョンの実現に向けた3カ年の中期経営戦略と、その中期経営戦略を着実に実行し目標を達成するために単年の経営戦術を策定しています。
この経営戦術の年間目標の達成に向けて、四半期ごとに、業務執行部門は、横串を刺した綿密なコミュニケーションによって専門的な知見を活用して経営戦術の遂行状況を実証的に検証し、課題が認識された場合は課題を分析して対策を立案・実行しています。業務執行部門は、認識した課題と対策のうち、取締役会で討議すべき重要事項を選定して取締役会へ報告しています。取締役会は、業務執行部門からの報告に基づき、経営戦術の遂行状況を監督するとともに、必要に応じて中期経営戦略および経営戦術を見直し、決議しています。
当社は、この経営戦術の四半期ごとのモニタリングを通じて、課題を早期に認識し機動的に対策を講じる、というPDCAサイクルをタイムリーに回すアジャイル型の経営を行っています。

統合的リスク管理態勢

金融市場の不確実性の高まり、少子高齢化・人口減少社会の到来、医療・遺伝子技術の進歩、AI(人工知能)等のテクノロジーの進化、大規模災害の発生、サイバー攻撃の巧妙化や地政学リスクの増大など、当社を取り巻く環境はますます多様化・複雑化しています。このような環境変化のもと、さまざまな要因から生じるリスクを的確に把握し、適切にリスク管理をしていくことは、経営の健全性とともに適切な業務運営を確保するうえで、非常に重要な課題であると認識しています。
統合的リスク管理態勢は経営の根幹であるとの認識のもと、当社は、全社的視点でリスクと収益を一体的に管理する仕組みであるERMの枠組みを活用し、リスク抑制とリスクテイクのバランスを図りながら、十分な健全性を維持しつつ、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に向け、経営戦略の企画・立案および実行を支えるための統合的リスク管理態勢の構築に努めています。

3つのラインによる内部統制の実効性確保

内部統制

コアバリューに基づくCSV経営の実践を通じて、健全で持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現するため、強固な内部統制を確保する態勢を整備しています。具体的には、内部統制の分野で内外の専門機関が推奨しているフレームワーク等を参考に、攻めと守りのガバナンスの基盤として、事業部門、管理部門および内部監査部門の機能を3つのラインとして整理し、事業部門による自律的管理、管理部門による牽制、内部監査部門による検証を通じて適切かつ機動的な業務執行を行える態勢を整備し、内部統制の実効性を確保しています。
また、財務報告に係る強固な内部統制を確保し信頼性の高いディスクロージャーを実行するため、有限責任あずさ監査法人を会計監査人として選任し、監査役による監査と併せて会計監査人による外部監査を実施しています。

内部監査態勢

3つのラインにおける第三ラインである内部監査部およびその担当役員であるインターナル・オーディット・オフィサーは、米国上場企業でアフラックのグローバルなグループ全体を統括する持株会社であるアフラック・インコーポレーテッドの独立社外取締役のみで構成される監査・リスク委員会によって承認された内部監査最高責任者および保険持株会社であるアフラック・ホールディングスのインターナル・オーディット・オフィサーの指揮命令下に置かれています。第一ライン(事業部門)や第二ライン(管理部門)はもとより、当社経営陣からも独立した立場で、当社および子会社のすべての経営活動ならびに業務活動を対象として、客観的な内部監査・モニタリングにより、有効性を評価しています。また、監査結果に基づく助言・提案などを通して経営に付加価値を提供し、経営戦略の実行に貢献しています。

グローバル・グループガバナンス

グローバル・グループガバナンスの全体像

アフラック・インコーポレーテッドによって構築された持株会社体制のもとで、日米両国における要請に応えるための企業統治の枠組みを「グローバル・グループガバナンス」と呼んでいます。当社を含めて、その傘下にあるすべての子会社がこのグローバル・グループガバナンスに基づき経営を行うとともに、それぞれのお客様の負託・信頼に応え、お客様に価値ある商品・サービスを提供し続けるべく経営の健全性を維持しています。

Aflac Incorporated(アフラック・インコーポレーテッド)Aflac Holdings LLC アフラック・ホールディングス アフラック生命保険株式会社(当社) アフラック保険サービス株式会社 アフラック収納サービス株式会社 アフラック・ハートフル・サービス株式会社 ツーサン株式会社 アフラック少額短期保険株式会社 アフラックデジタルサービス株式会社 Aflac Ventures Japan株式会社 Hatch Healthcare株式会社 American Family Life Assurance Company of Columbus アメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ コロンバス American Family Life Assurance Company of New York  アメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ ニューヨーク Aflac Re Bermuda Ltd.  アフラック・リー・バミューダ Aflac Asset Management LLC アフラック・アセット・マネジメント アフラック・アセット・マネジメント株式会社 Aflac International Inc. アフラック・インターナショナル 米国 日本 バミューダ ※2025年7月1日時点の情報を記載しています。なお、すべての子会社等を記載しているわけではありません。

グループ各社の概要

Aflac Incorporated(アフラック・インコーポレーテッド)
グループを統括する持株会社としてグループの経営管理を行う会社です。ニューヨーク証券取引所に株式を上場しています。日米両国の法令等に則り、持株会社体制および直接または間接の子会社に対する業務執行の適切な監督を通じて、ステークホルダーの期待に応えるための強固な企業統治の枠組みを構築・維持しています。
Aflac Holdings LLC(アフラック・ホールディングス)
当社の親会社であるアフラック・ホールディングスは、米国の法令に加え、日本の保険業法に定める保険持株会社および少額短期保険持株会社として、保険業法その他の法令に従い、当社とその子会社の経営管理を行う責務を負っています。
American Family Life Assurance Company of Columbus (アメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ コロンバス)/American Family Life Assurance Company of New York (アメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ ニューヨーク)
米国において、事故・重度障害保障保険、短期就業不能保険、がん保険を含む重大疾病保険および入院保障保険、歯科・眼科医療保険ならびに生命保険(定期および終身)を中心に業務展開している保険会社です。
Aflac Asset Management LLC(アフラック・アセット・マネジメント)/アフラック・アセット・マネジメント株式会社
アフラック・アセット・マネジメントおよびその子会社であるアフラック・アセット・マネジメント株式会社は、グループの資産運用業務に限り受託する資産運用会社として、長期かつ安定した資産運用の実現を目的にグローバルに運用しており、分析、銘柄・数量の決定、売買執行、資産内容の報告などの業務を行う会社です。
Aflac International, Inc.(アフラック・インターナショナル)
グループ関連会社の経営管理支援業務およびグローバル経済のアジェンダや国際機関に関連する課題にグループを代表して対応する業務を行う会社です。
アフラック保険サービス株式会社
当社の生命保険販売代理店としての保険代理店事業のほか、長年のコールセンター運営のノウハウを活かした受託事業を行う会社です。
アフラック収納サービス株式会社
生命保険および損害保険の保険料集金代行事業のほか、事務代行業務などの受託事業を行う会社です。
アフラック・ハートフル・サービス株式会社
障がい者雇用を目的としたアフラック生命グループの特例子会社として、オフィスサービス事業などを行う会社です。
ツーサン株式会社
生命保険販売代理店および損害保険販売代理店として保険代理店事業を行う会社です。
アフラック少額短期保険株式会社
アフラック生命グループの商品ラインアップを充実させる保険商品や先進的な保険商品を機動的に開発していくために、少額短期保険事業を行う会社です。
アフラックデジタルサービス株式会社
DXサービスの企画・開発・販売事業、共通ID*の発行・管理事業およびデータ分析事業を行う会社です。
* アフラックグループ各社が提供する各種サービスを共通で利用できるID
Aflac Ventures Japan株式会社
スタートアップ投資業務およびアフラック生命グループによるスタートアップ企業との共創支援業務を行う会社です。
Hatch Healthcare株式会社
がんや介護に関するさまざまなお悩みや不安の解消を支援する相談サポートサービスのほか、さまざまな医療データを統合した分析ツールの展開などのヘルスケアに関するサービスを提供する会社です。
Aflac Re Bermuda Ltd.(アフラック・リー・バミューダ)
2022年6月にアメリカン ファミリー ライフ アシュアランス カンパニー オブ コロンバスの100%出資によりバミューダに設立された、アフラックグループ内の保険契約の引き受けを行う再保険会社です。

アフラック・インコーポレーテッドのガバナンス

グループ全体で有機的な統治を実現する会議体とツール

アフラック・インコーポレーテッドは、その株式がニューヨーク証券取引所において取引されている上場会社であり、アフラック・インコーポレーテッドの取締役会は、取締役11人のうち、取締役会議長を除く10人が独立社外取締役として選任されています。
アフラック・インコーポレーテッドが統括する事業運営の実施に対する高度な監督およびアカウンタビリティを持株会社体制全体で確保するため、アフラック・インコーポレーテッド取締役会の内部に各種委員会が設置されているとともに、アフラック・インコーポレーテッドの最高経営責任者(CEO)の権限に基づきグローバルエグゼクティブマネジメント委員会をはじめとする「グローバル委員会」が設置されています。なお、当社の代表取締役はすべてのグローバル委員会の委員としてグループ執行態勢の戦略立案と実行管理に参加しており、当社とグローバル委員会との有機的な連携を確保しています。
「グローバルエグゼクティブマネジメント委員会」は、グローバル委員会の中で最上位の会議体であり、グループの戦略および各子会社の戦略・業務施策に関する情報などを共有し、グループ全体の意思決定を行ううえでの注意義務の履行の一環として、判断に必要な情報を得て審議を行います。各グローバル委員会は四半期に一度開催され、重要な経営戦略課題について協議を行っています。