地域社会でのがん啓発活動
がんは早期発見・早期治療が重要とされていますが、国が定める5つのがん検診(胃がん・大腸がん・肺がん・乳がん・子宮頸がん)の受診率は、2023年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画において60%を目標としていますが、いずれのがん検診も目標値を下回っており、欧米諸国と比べても低水準に留まっています。少しでも多くの方にがんという病気について知ってもらい、がん検診を受診してほしいとの想いから、当社はがん検診の受診促進に関するさまざまな取り組みを全国各地で行っています。
がんに関する啓発コンテンツの推進
がんを知る教室

がんの早期発見・早期治療の大切さについて考えるきっかけにしてほしいとの想いで、2004年にがんに関する展示会「がんを知る展」を開始し、その後2018年にはより多くの方に関心を持っていただくために「なるほどなっとく がんを知る教室」としてリニューアルしました。学校の教室をイメージした展示セットは、学科ごとにまとめたがんに関する情報パネルやがんに関する映像、乳がんの自己検診を疑似体験できるコーナーなどで構成されています。アソシエイツをはじめ、業務提携先である全国の金融機関や郵便局などとも協力しながら、これまでに全国131回(2024年3月末時点)開催し、来場者数は延べ41万人を超えるなど幅広い方々に身近な場所でがんを知っていただく機会を提供しています。
Web版がんを知る教室

2022年にWeb版「なるほどなっとく がんを知る教室」をリリースし、オンライン上でもがんについて学べるようになりました。「がんの国語」「がんの算数」など、学校の各教科に見立てたがんに関するコンテンツをはじめ、学習指導要領に則った「がんのクイズ」等を通して、がんの基本的な情報やがんを取り巻く環境を分かりやすく解説しており、自治体や教育現場等で活用されています。
がん検診の啓発チラシ

がん検診受診によるがんの早期発見・早期治療の重要性を伝え、がん検診受診率向上を図ることを目的とした啓発チラシを制作し、配布しています。学業・仕事・家庭等の事情により時間を取れず、検診受診を先延ばしにしている若年層及び働く世代に向けたチラシやがんの罹患率が大きく増え始める50歳以上の世代に向けたチラシを作成し、自治体、アソシエイツ、当社業務提携先と連携し配布するなど、さまざまなステークホルダーと連携し、がん検診の啓発活動を推進しています。
がんに関する情報の小冊子

2023年3月に閣議決定された第4期がん対策推進基本計画において「誰一人取り残さないがん対策を推進し、すべての国民とがんの克服を目指す。」ことが全体目標に掲げられているように、がんに対する正しい知識は学校等の教育現場だけではなく、大人にも必要とされています。「大人も子どももがんを知る本」は、放射線治療と緩和ケアの専門医による小冊子であり、2人に1人ががんになる時代を生きるために必要な知識のほか、治療期間中に受けられる公的支援制度や、がんに関する各種相談サービスについて紹介しています。当社は、本冊子をがん及びがん検診受診率に関する啓発の場や、教育機関等にて配布し、がんに対する正しい知識の普及に取り組んでいます。
国・自治体との連携
がん検診の意義及び必要性の普及啓発
当社は、がん検診受診率向上などを目指し、地方自治体と連携した活動を進めています。47都道府県に留まらず、政令指定都市やその他市区町村を含めて連携を進めており、2024年3月末時点で全国114に及ぶ自治体(47都道府県、67市区町)と連携し、協力関係を築いています。がん検診受診啓発チラシの配布やセミナーの開催など、自治体とのがん検診啓発の協業を通じて、一般生活者向けにがんに関する正しい情報とがん検診受診の大切さを伝えています。
がん専門機関との提携による取り組み
がんに関する啓発や全国ネットワークを活かし、広く国民に対して共同でがんに関する情報の提供を行い、国民のがんに関する意識の向上を図ることを目的に、2012年8月に独立行政法人国立がん研究センター(現:国立研究開発法人国立がん研究センター)、2013年1月に公益財団法人がん研究会と「がん情報の普及啓発に関する包括的連携協定」を締結しています。
がん対策における調布市との協業

当社は、調布市とがん啓発・がん検診受診率向上に向けた包括的連携に関する協定を締結しており、この協定に基づき、さまざまな事業で協業しています。2023年度は、調布市民スポーツまつりにおいて、乳がん自己触診(ブレストアウェアネス)やがん啓発に関する展示会「がんを知る展」を開催する等、市内在住・在勤・在学の方を中心に、幅広い方々に対するがん啓発に取り組んでいます。
「がん対策推進企業アクション」推進パートナー
厚生労働省による国家プロジェクト「がん対策推進企業アクション*」の推進パートナー企業として、職場におけるがん検診受診率向上及びがんに関する啓発に取り組んでいます。2022年3月には、当社の取り組みが評価され、同プロジェクトのがん対策に積極的に取り組む企業を表彰する「令和3年度がん対策推進企業表彰」において、「厚生労働大臣表彰 最優秀賞」を受賞しました。また、同プロジェクトの「がん対策推進優良企業表彰制度」においては、本表彰制度が発足した令和2年度から4年連続で選出されています。
- *「がん対策推進企業アクション」は、厚生労働省と推進パートナー企業・団体ががん検診受診率向上等を目指す国家プロジェクトです。
賞歴
「厚生労働大臣表彰 最優秀賞」を受賞
2022年3月に厚生労働省が推進する「がん対策推進企業アクション」において、当社の取り組みが評価され、がん対策に積極的に取り組む企業を表彰する「令和3年度がん対策推進企業表彰」において、「厚生労働大臣表彰 最優秀賞」を受賞しました。
「がん対策推進優良企業」への選出(発足した令和2年度から4年連続)
本制度はがん検診受診率向上とがんと仕事の両立を目指した国家プロジェクトである「がん対策推進企業アクション」における表彰制度です。「がん対策推進企業アクション」に登録している企業・団体のうち、がん対策に積極的に取り組む企業を表彰するため2020年(令和2年度)に制定されました。本表彰制度が発足した令和2年度から4年連続で選出されています。
当社は日本で初めてがん保険を発売した保険会社として、以前から社員に対するがん検診受診促進に取り組んできました。

「がん対策推進パートナー賞」を受賞
2015年9月に、厚生労働省による国家プロジェクト「がん対策推進企業アクション」が創設した「がん対策推進パートナー賞」*を受賞しました。
受賞部門は「がんの情報提供部門」(受賞当時の名称)です。従業員への啓発活動はもちろんのこと、がんの最新情報がわかる展示会「がんを知る展」を全国各地で開催していることや、全国112(2015年9月時点)に及ぶ自治体と連携し、地域でのがん検診受診を促進するための啓発活動を展開していることなど、がんの情報発信に関する様々な活動が評価され、受賞につながりました。
- *がん対策推進パートナー賞は、がん対策推進企業アクションが、がん対策の推進に積極的に取り組んでいる企業・団体を表彰し、そのノウハウを共有し、拡大することを目的としています。受賞部門には、「厚生労働大臣賞」及び「がん対策推進パートナー賞」(「検診部門」「治療と仕事の両立部門」「情報提供部門」の3部門)があります。
がん教育支援
教職員へのがん教育研修

がん対策基本法に基づき政府が策定するがん対策推進基本計画には「がんに対する正しい知識、がん患者への理解及び命の大切さに対する認識を深めることが大切」と明記されており、現在では、学習指導要領に基づき、小・中・高等学校の各学校において児童生徒の発達段階に応じたがん教育が順次開始されています。この学習指導要領に基づくがん教育の実施に向けて、当社では指導方法の普及を図ることを目的に教育委員会と連携し、がん経験者による模擬授業のほか、医療従事者や当社のがんを経験した社員による講演、がんに関わる当社独自の啓発資材の展示・配布等を通じて、教職員のがんリテラシー向上に取り組んでいます。
教育現場へのがん教育支援

当社は、児童生徒による家庭内でのコミュニケーションを通して、親子ともにがんに対する正しい理解を促進し、がん検診受診率の向上につながると考え、小・中・高等学校において、教育現場のニーズに合わせて、学習指導要領に基づいたがんに対する正しい知識、がん患者・経験者への理解及び命の大切さを伝える支援を行っています。2021年からは調布市との連携により、調布市内すべての公立中学校におけるがん教育の支援を実施しています。