調布市におけるスマートシティの取り組み
調布市と「包括的パートナーシップ協定」を締結

当社は、1994年に東京都調布市に初の自社ビルを建設し、2007年には同市の企業立地等促進支援条例に基づき調布駅前の再開発ビルに新たなオフィスを確保するなど事業基盤を拡大するとともに、四半世紀を超えて調布市との協力関係を築いてきました。また、2019年8月には、調布の街の持続的な発展と社会的課題の解決に向けて、調布市とともに、それぞれが保有する特性・資源・ノウハウ等を活かしながら、多様な分野において連携・協力することを目的として「包括的パートナーシップ協定」を締結しました。本協定により、両者の連携関係のステージを一段高め、現在では、調布市におけるスマートシティの実現に向けた活動をはじめとして、具体的な連携・協力について随時検討・実施しています。
「包括的パートナーシップ協定」における連携・協力事項
- 1街づくりの推進・地域の活性化に関すること
- 2産業振興・市民雇用の創出に関すること
- 3暮らしの安全・安心の確保及び地域防災力の向上に関すること
- 4市民・地域就労者の健康の維持・増進に関すること
- 5高齢者支援、障害者支援、子ども・子育て支援に関すること
- 6生涯学習及び文化・スポーツ活動の振興に関すること
- 7国際交流・多文化共生の推進に関すること
- 8働き方改革及び人材確保・育成におけるダイバーシティ推進に関すること
- 9SDGsの考え方の普及と取組の推進に関すること
- 10その他、両者の協議により合意した事項
調布市におけるスマートシティの実現に向けた活動


当社は、調布市と「包括的パートナーシップ協定」を締結し、同市との相互連携をさらに深めてきました。あわせて、地元の大学や各種企業、団体など多様な関係者と、調布市の社会的課題について対話を重ねてきました。
この課題の解決に向けた取り組みを一層加速し、調布市におけるスマートシティを実現するため、2021年6月に「調布スマートシティ協議会」を調布市、国立大学法人電気通信大学、特定非営利活動法人調布市地域情報化コンソーシアム、当社の4者で設立しました。その後、協議会の活動に賛同した調布市と関連が深い企業・団体が入会し、「調布スマートシティ協議会」は、計10団体で活動を行っています(2024年7月1日時点)。
調布スマートシティ協議会では、産学官民の連携のもと、共有価値を創造し、社会的課題の解決と経済的価値の創出を両立する「共有価値創造型スマートシティ」をコンセプトとしています。当社は、当社独自の資源・専門性を活用し、ヘルスケア領域の活動を進めるとともに、データ利活用領域における取り組みの検討を進めています。

調布市におけるスマートシティに関連する取り組み

「調布市がん対策の推進に関する条例」に基づき、総合的ながん対策に取り組んでいる調布市において、キャンサーエコシステムの構築を目指し、がん患者とその家族のサバイバージャーニー(がん患者がたどる人生の道のり)全体を支える取り組みを、調布市をはじめとするステークホルダーとともに進めています。
2024年8月31日から、Hatch Healthcare株式会社を受託者とする「調布市がん相談サポート*」が調布市において開始されました。この事業は、がんに罹患した調布市民やそのご家族の精神的・経済的不安の軽減に貢献するべく、当社が調布市に提案したものであり、2023年10月から2024年3月の間、試行的に実施した結果を踏まえ、調布市事業として事業化されました。
がん以外の領域においては、2021年から2023年までの3年間、高齢者のデジタルデバイド解消やリアルとオンラインを組み合わせた健康増進プログラムの実施を通じて、健康寿命の延伸・主観的幸福度の向上を目指す「つながり創出による高齢者の健康増進事業~CDC(調布・デジタル・長寿)運動」を、調布市・国立大学法人電気通信大学とともに実施しました。調布市内で選定したモデル地区の高齢者を対象に、活動拠点であるデジタルリビングラボ(2カ所)を開設し、オンライン健康教室、スマホ教室の実施等、つながりの創出やデジタルデバイドの解消を促進するためのさまざまな取り組みを実施しました。また、CDC運動開始時と終了時に健康状態や主観的幸福度の変化を測るためのアンケート調査を実施し、地域の高齢者の健康寿命の延伸・主観的幸福度の向上のための知見を得ることができました。
- *がん患者の方やそのご家族が抱える悩みに寄り添い、相談者のニーズに応じて、がんに関する情報提供や行政・民間サービスの案内等を行う相談窓口