生命保険料控除の手続きは、給与所得者の場合「年末調整」の書類に記載することになります。ここでは、年末調整の書類の書き方や控除額の計算方法を解説します。
生命保険料控除には「一般生命保険料控除」「介護医療保険料控除」「個人年金保険料控除」の3つがあり、その内容は以下の通りです。
生存または死亡を原因とした一定額の保険金、その他一定の給付金に係る保険料が対象です。保険料は「新生命保険料」と「旧生命保険料」に分類されます。
入院・通院等にともなう給付部分に係る保険料が対象です。
個人年金保険料税制適格特約の付加された個人年金保険契約等に係る保険料が対象です。保険料は「新個人年金保険料」と「旧個人年金保険料」に分類されます。
給与所得者の方が年末調整の際に生命保険料控除の適用を受ける場合には、年末調整を行うための書類として「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」に必要事項を記載した上で「生命保険料控除証明書」を添付して会社へ提出しなければなりません。
この「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」に記載する生命保険料控除に関する事項としては以下の項目です。
①生命保険会社等の名称
②保険等の種類
③保険期間または年金支払期間
④保険等の契約者等の氏名
⑤保険金等の受取人の氏名及び続柄
⑥生命保険等の新旧契約の区分及び支払保険料の金額
⑦支払保険料に基づいて計算した生命保険料控除の金額
なお、保険料控除申告書の記載例は以下のページを参照してください。
上記の「給与所得者の保険料控除申告書兼給与所得者の配偶者特別控除申告書」に記載する生命保険料控除に関する事項については、生命保険会社等から郵送されてくる「生命保険料控除証明書」に、必要な情報が記載されています。こちらの情報を見ながら項目に記入しましょう。
この生命保険料控除証明書は生命保険会社等によって多少差はありますが、毎年10月頃から12月までの間に各生命保険契約者等に郵送されます。
なお、アフラックでは生命保険料控除証明書を紛失してしまった場合、インターネット(ご契約者様専用サイト「アフラック よりそうネット」)もしくは電話にて簡単に再発行の依頼をすることができます。
パート収入103万円以下の方は、所得税計算上、収入から給与所得控除65万円及び基礎控除38万円を控除すると0円以下になってしまい、所得税の税率を掛ける所得が0円となります。その結果、所得税も0円となるため生命保険料控除はこの時点で関係なくなるため気にする必要はありません。
12月に生命保険等に新規加入した場合の年末調整における生命保険料控除の取り扱いについては、原則は保険料控除申告書に証明書類を添付することが必要です。
“ここでいう証明書類とは、保険会社や郵便局などが発行した、保険料などの領収書や支払った生命保険料の金額と保険契約者などの氏名を証明するために特に発行した書類をいいます。”
2-3 保険料控除申告書の受理と内容の確認|国税庁 より引用
しかし、証明書類の交付については請求中であること等を理由に、証明書類の添付ができない場合においても、翌年1月末日までに提出するか、もしくは提示することを条件に生命保険料の控除を年末調整で行うことができます。
生命保険料の控除額を計算するには保険料の区分、新旧制度の違いによって以下の方法で計算します。
年間の支払保険料等 | 控除金額 |
---|---|
20,000円以下 | 支払った保険料等の全額 |
20,001円超40,000円以下 | (支払った保険料等の金額の合計額)×1/2+10,000円 |
40,001円超80,000円以下 | (支払った保険料等の金額の合計額)×1/4+20,000円 |
80,001円超 | 一律に40,000円 |
年間の支払保険料等 | 控除金額 |
---|---|
25,000円以下 | 支払った保険料等の全額 |
25,001円超50,000円以下 | (支払った保険料等の金額の合計額)×1/2+12,500円 |
50,001円超100,000円以下 | (支払った保険料等の金額の合計額)×1/4+25,000円 |
100,001円超 | 一律に50,000円 |
新生命保険料と旧生命保険料の両方に控除の適用を受ける場合、または新個人年金保険料と旧個人年金保険料の両方に控除の適用を受ける場合、生命保険料と個人年金保険料それぞれにつき合計で最高4万円まで控除されます。
たとえば、新生命保険料に20,000円、旧生命保険料に25,000円支払った場合の生命保険料控除の金額は20,000円+25,000円=45,000円となりますが、合計が40,000円を超えてしまうため、40,000円が控除対象となります。
また、一般生命保険料の控除額と介護医療保険料の控除額、個人年金保険料の3つの控除額の合計額が12万円を超える場合には、控除額は最高12万円までです。
例を挙げると、一般生命保険料の控除額が50,000円、介護医療保険料の控除額が40,000円、個人年金保険料の控除額が50,000円となった場合、50,000円+40,000円+50,000円=140,000円となりますが、合計が12万円を超えてしまうため、12万円が控除額となります。
生命保険料控除について年末調整の書類の書き方、控除額の計算方法等を中心に見てきましたが、いかがでしたでしょうか?
年末調整についてさらに理解を深めたいという方は以下のページから「生命保険料控除」に関する情報をチェックしてみてください。今回の内容がより深く理解できます。
(2018年3月作成)
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